伊豆を代表する観光地・伊豆高原でドッグペンションを始めた六郷みゆきさん(48歳)と伸一さん(52歳)が主人公です。みゆきさんはテレビ局で、伸一さんはウエイターとして、仕事に追われる日々。一人息子の希望もあり犬を飼い始め、以来家族旅行も一緒。そんな時「いつかは犬と泊まれる宿をやりたい」と思い始めたみゆきさん。転機が訪れたのは2006年。みゆきさんに乳がんが見つかります。手術は成功、仕事にも復帰しましたが、自分らしく生きたいと、夢を叶える決意をします。伸一さんも、妻の夢を叶えようと仕事を辞め、2008年8月、『ドッグペンション R65(アールロクゴウ)』を夫婦で始めました。犬と人に優しいご夫婦のこだわりが詰まったペンションでの暮らしぶりをご紹介します。
『ドッグペンション R65(アールロクゴウ)』六郷さんだから“65”です。Rは以前かっていたレトリバーの頭文字からとりました。庭にはワンちゃんが遊べるドッグラン、広めの玄関にワンちゃんの足洗い場。ドッグペションならではの工夫が随所にあります。客室は全部で6部屋、1つだけあるコテージは一番人気。インテリアや雑貨はみゆきさんの好きな雰囲気に統一されています。
ペンションの料理担当はみゆきさん。地元の食材を使って腕を振るいます。この日は、いつも頼りにしている地元の鮮魚店・早川さんのところに魚の仕入れに出かけました。伊豆といえば、今が旬の金目鯛。早川さんがきれいに捌いてくれた金目鯛をソテーにします。みゆきさんの料理を目当てに何度も足を運んでくれる常連さんも数多くいます。
ご夫婦は、愛犬チャコを連れて伊豆高原を散策。立ち寄ったのは、ドッグカフェ『キャンディ』。犬見知りのチャコはいつも端っこの席です。カフェのオーナー塩坂さんは愛犬の病気をきっかけに伊豆高原に移住してきました。最近、伊豆高原は犬連れ旅行の大人気スポット。犬と一緒に入れる施設や宿が増えています。お互い協力しあって、伊豆高原を盛り上げていこうと考えています。
銀座のフレンチレストランでパティシエをしている長男の祐太朗さん。ペンションで出すデザートのアイデアを持ってきてくれました。試作してくれたのは、『ガトーショコラのエスプレッソソースかけ、キャラメルアイスをのせて』。新たにペンションのデザートメニューに加わりました。祐太朗さんも犬が大好き、チャコに会いたくなると帰ってくるそうです。