舞台は神奈川県葉山町。海岸で拾った貝がらを使い、動物を作っている角田元さん(64歳)と妻の憩さん(61歳)が主人公です。11年前、偶然見つけた貝がらが、動物に見えたことがきっかけで始めた貝がらの動物作り。ワークショップや自宅前に作品を展示するなど、より多くの人にその魅力を伝えたいと、作品を作り続けているお2人。いずれは夫婦で全国を旅しながら、各地の海岸で拾った貝がらを使い、子供たちに作る事の喜び≠伝えたいと夢は更に膨らんでいます。
元さんが作ってきた動物の中で一番のお気に入りが、このチンパンジー。体は「ハツユキダカラガイ」、顔は「スズメガイ」、手足は「カワアイガイ」で出来ています。元さんが、パーツをひとつひとつ選び抜いた自信作です。その他の作品も、とっても可愛いですよ。
角田さんご夫婦が作ってきた貝がらの動物は、およそ300種類以上。まさに動物園と呼べるくらいの作品群です。ひとつひとつ拾った貝がらを、加工しないでそのまま使っているため、同じ種類の動物を作っても、同じものは絶対に出来ないといいます。
要望があれば、自宅でも貝がらの動物作りを教えている元さん。教室を始める前に、子供たちと題材を見学しました。今回の題材はカメ。本物を観察した後は、貝がらを使いカメ作りです。実物や図鑑などで動物を調べてから作るのが、元さんの拘りです。
一つとして同じ物が無い貝がら。大きさや色など自分が好きな貝がらを選び、思い描いた「カメ」に近づけていきます。小さな貝がらを組み立て貼り付けていく作業は、とても根気が要りますが、子供たちも上手に出来ました。
2人の息子さん家族が集まり、お孫さんの誕生日会が開かれました。サラリーマン時代は仕事が忙しく家族と過ごす時間が少なかったと言う元さん。家族と過ごせる時間を大切にしたいと強く思ったのは、5年前、胃ガンの手術後だったと言います。去年12月には5人目のお孫さんも誕生し、ますます賑やかになった角田家です。