今回の舞台は、広島県第二の都市、福山市。市の中心部から北へ車で45分ほどの山間部にある山野町で、唯一のスーパー『キラリやまの』の代表を務める門田美枝子さん(64歳)が主人公です。『キラリやまの』は、雑貨から生鮮食料品まで、日常に必要なものが揃う店。およそ30名の町のお母さんたちが協力して運営しています。特に、日替わりで作られるお総菜は町の人に大人気。交通手段を持たない高齢者にとって、無くてはならないお店です。キラリと光る笑顔で、生まれ育った町を元気にしようと奮闘するお母さんたちをご紹介します。
山野のお母さんたちで運営する『キラリやまの』。4年前、山野町で唯一のスーパーの閉店が決まった時、立ち上がったのが美枝子さんたち山野のお母さんたちでした。古い店舗を引き継ぎ『キラリやまの』をオープンさせました。人気のお総菜は、3人1組の4チームが日替わりで朝6時から作ります。レジや仕入れ担当など、お母さんたちが山野のために頑張っています。
この日、美枝子さんが向かったのは福山市北部で開かれる地域のイベント。ここで、『キラリやまの』人気のメニュー、バラ寿司と赤飯を販売します。いつものお店以上に、美枝子さんも張り切っています。こういったイベントに出店すると、必ず買いに来て下さるリピーターの方も増えました。販売から1時間半。用意した181食のお弁当は見事、完売しました。
美枝子さんたち『キラリやまの』のスタッフは、昔からの沢庵の漬け方を学ぼうと、厨房で沢庵作りの講習会を開きました。教えてくれるのは山野の漬物名人、森原千恵子さん。大根は、山野町の町おこしを目指す『里山クラブ』が育てたものです。香り付けに乾燥したナスの葉を、甘味を出すために渋柿の皮を使います。伝統の味を受け継ごうと、みんな真剣に勉強します。
『キラリやまの』の新たな目標は、町以外の人にも買ってもらえる特産品を作ること。そこで、山野でとれた柚子を使ったマーマレード作りに挑戦します。柚子の皮の一部はミキサーにかけ、一部は形を残して、食感を大事にしたマーマレードを目指します。出来上がったマーマレードを試食するのは、お惣菜チームのリーダーたち。甘くて、ちょっとほろ苦い『キラリやまの』の特産品が出来ました。