田園風景広がる宮城県加美町で2年前にオープンした「組み木工房 木の実」。主人公・福島俊夫さん(63歳)と妻の京子さん(62歳)が営み、中は二つの部屋に分かれています。片方は俊夫さんの木工房、隣は京子さんが作品を並べる展示室。飾られるのは、俊夫さんが木の板から作り出す「組み木」です。フクロウやサンタクロースなど様々なモチーフの絵柄がラインに沿って切り抜かれ、パズルのようにバラバラになるユニークな作品。
元々中学校教員だった俊夫さん、趣味の組み木作りを楽しみたいと、定年を迎えた2008年に「木の実」をオープンさせました。夫と妻が、それぞれの時間を楽しむこの空間。実は、夫婦が寄り添い、お互いを想い支えあう暖か〜い場所でもあるんです。
俊夫さんが一点一点手作りする組み木。こだわりは、一枚の木の板から作品を作ることです。例えば「ひな祭りセット」。お内裏様やお雛様、三人官女などを糸鋸で細かなパーツに切り分け、薄く着色。組み合わせると木目が合い、さらには切り抜いた枠の中に収納出来るようになっています。もし一つでもパーツを失くしたら、一から作り直すそうです!
毎週土曜日に営業する展示室。京子さんが組み木作品をかわいらしく並べ、お客さんが作品を見て触って、欲しいものを注文する場所です。営業日以外はどうなっているかというと・・・常連さんたちのたまり場に!京子さんはお客さんとお茶しながらおしゃべりしたり、時にはお昼寝までしちゃいます。京子さんにとって楽しい憩いの場でもあるんです。
俊夫さん、組み木の絵柄をどうやってデザインしているかというと・・・。パソコンのお絵かきソフトを使って、マウス一つで描いているんです。線や円を湾曲させたり、伸ばしたり。俊夫さんがテーマにしているのは、寄り添う「ペア」の作品。実にロマンチックです。
夜に一人、お酒をちびりとやりながら構想を練るのが楽しいそうです。
京子さんは図書館など様々な場所にも組み木を貸し出し、ディスプレイして多くの人に見てもらおうと思っています。実は作品が大好きで、俊夫さんに輝いてもらいたいと思っている京子さん。俊夫さんが特別に作った、童話をモチーフにした組み木を使ってあちこちで読み聞かせの会も開いています。夫婦が支えあっていて、本当に暖かい夫婦です!