今回の舞台は石川県小松市。主人公は1800坪もの休耕田を耕し、花園造りに励む金子弘司さん(65歳)。朝夕の時間、草取りや苗植えをコツコツ続ける毎日です。昼は60歳を機に、妻の久子さん(65歳)と娘の三人で始めたおそば屋さんを営んでいます。花園造りを始めたのは2年前。近所にある遊泉寺銅山跡の記念公園が整備されていく中、周辺の休耕田は荒れ地のままでした。弘司さんは銅山跡を訪れる人の憩いの場にしたいと花を植える事を決意。広大な休耕田を借り受け草取りや苗植えを始めました。弘司さんの思いに友人や仲間、共感した近所の住民たちも応援。仲間に支えられながら、美しい花々が咲き誇る楽園を目指し、今日も花園造りを頑張っています。
黙々と草取りを続ける弘司さん。広大な荒れ地を毎日、手入れし続けた結果、雑草だらけだった場所に、1つまた1つと花が咲く様になりました。しかしまだまだ夢半ばの花園造り。花と縁が無かった弘司さんでしたが60歳を過ぎた今、色鮮やかな楽園を造ろうとチャレンジしている日々です。
花園での手入れを終えると、弘司さんは蕎麦店の店主に代わります。60歳を機に始めたおそば屋さんを妻の久子さんと娘さんの三人で営んでいます。看板には「手打 そば処」とだけ書かれ、宣伝はしていません。食べに来るのはご近所さんがほとんど、そばは15人分程打てばまかなえるそうです。営業時間は午前11時から午後2時まで、まさに隠れ家的なお店。そして久子さんら家族の支えがあってこそ、弘司さんはおそば屋さんにも花園造りにも精を出せるんです。
花園造りの作業後、弘司さんが休憩に立ち寄る場所では、近所の山好きが集まり山菜やキノコ自慢に花を咲かせます。この日は仲間が採ってきた天然のマイタケを使ったキノコ汁で宴会。弘司さんは交流の輪をどんどん広げ、仲間たちは弘司さんの花園造りを支えていきます。
今年の春から、弘司さんは新たな試みを始めました。決められた区画の植え込みや管理を任せる「オーナー区画制度」です。個人でもグループでも思い思いの花作りを楽しんでもらいたいと考えました。花を育て、自分が得た喜びや楽しみを、沢山の人に共感して欲しいと言う思いも込められています。