神話の里として知られる宮崎県・高千穂町が舞台。生まれ育った故郷を活気づけたいと立ち上がった飯干淳志さん(56歳)と妻の眞弓さん(54歳)が主人公です。町の中心部から車で30分の山奥にある秋元集落。かつて林業で栄えたこの村も、時代と共に衰退。若者は働き場所を求め、村を離れていきました。「このままでは故郷がなくなってしまう!」危機感を抱いた淳志さんは、勤めていた町役場を早期退職。自ら村おこしを始めました。特産品作り、民宿開業、秋元野菜の販売と、大忙しの日々。まだまだ先は見えませんが「まずはやってみることが大事」と考える淳志さん。大好きな故郷を子供たちの世代に残すため、村人たちと共に踏みだした、あれやこれやの村おこしの様子をご紹介します。
ここは村の無人販売所「いろはや」。村人たちが丹精こめて作った野菜を持ち寄ります。野菜を置いた後は、おしゃべりに花が咲くことも。「来るのも楽しいし、お小遣いにもなる」とおばあちゃん達から喜ばれています。そんなおばあちゃん達をもっと元気にしたいと、淳志さんは町の市場へも野菜の出荷を始めました。
「特産品を作り、村人の働ける場所を増やしたい」との思いから、標高が高い秋元の気候を生かし、夏に出荷できる苺の栽培を始めた淳志さん。収穫した苺の一部は地元の廃校へ。ここでは眞弓さんが、廃校の給食室を再利用してお菓子作りをしています。「次の世代が働ける場所を作りたい」と話す眞弓さん。夫婦それぞれ、秋元の未来のために頑張っています。
秋元集落に泊まれる場所を作ろうと、飯干さんご夫婦が自宅を改装して作った民宿「まろうど」。この日は、淳志さんの大学の同級生8名がご宿泊です。山々を望む部屋でくつろいだ後は、お待ちかねの夕食です。この夜は、この地区の伝統行事・夜神楽の際に振舞う神楽料理が並びました。秋元の素晴らしさを満喫して大満足の同級生たち。思い出話で大いに盛り上がりました。
歴史と伝統が息づく秋元集落。古い建造物をきれいに整備して活用する取り組みが進められています。こちらの牛小屋は村の若者の力を借りて、展示施設に生まれ変わりました。この夜は、高千穂でライブ活動を続けている平井邦幸さんを招いてミニコンサートです。村人の温かさや、秋元の豊かな自然について歌う平井さん。大好きな秋元を守りたいとの思いを、新たにした淳志さんでした。