今回の舞台は自然溢れる広島県庄原市東城町。
2005年、妻の実家に移住して忙しくも楽しい田舎暮らしを満喫している木村博介さん(65歳)と、故郷にUターンした妻・晴美さん(60歳)が主人公です。
移住した当初は、晴美さんの実家に来たこともあり「婿じゃけ、婿じゃけ」と、口癖のように言っていた博介さんですが、「知らないことは、聞くと教えてくれるんじゃ」と、農業の仲間に入ったり、地域の活動などに積極的に取り組んできたおかげで、晴美さんよりも顔が広くなってきたそうです。その結果、田舎暮らしはどこの誰よりも忙しい・・・それがまた楽しいと博介さんは言います。「わからないことは積極的に聞く」これが田舎暮らしの秘訣なのかもしれません。
以前から自宅の囲炉裏用に炭作りをしていた木村さんご夫婦。最近夢中なのが竹塩作り。竹塩とは韓国で千年以上前から伝わる薬用の塩。青竹に塩を詰めて炭焼き用の窯で4日間焼くという手間のかかるもの。初日の窯に火を熾す時、博介さんと晴美さんはどちらが先に窯に火を熾せるかの真剣勝負になるんだそうですが、それもまた、忙しくも楽しい田舎暮らしって感じで、本当に楽しそうです。
晴美さんが参加する地元の集まり「ひなたぼっこ」は、地域を活性化させようと特産品の研究をしています。この日は、晴美さんのアイデアでこの地域の家庭でよく食べられている「唐辛子みそ」を商品化しようと試作品作り。それぞれの家庭の味を参考に、意見を出し合いました。
出来上がった「唐辛子みそ」はとても美味しいものになりました。来年には地元の産直市に出せるそうです。
東京に住んでいる次女夫婦が帰省したこの日、娘の喜ぶ顔がみたいと博介さんは、移住してから習っている蕎麦を打ってのおもてなし。食卓には、晴美さんが作った野菜を中心にした様々な田舎料理が飾られました。まだまだ自給自足とは行かないまでも、採れたての食材に彩られた食卓は、次女夫婦も大満足でした。
「近所付き合いを深めたい」そんな思いが実を結んだのか、博介さんは月に一度開かれる近所のご老人の集まり、「ばーばーちゃんの集い」のお手伝いをしています。その名の通り、集まるのは近くに暮らす「おばあちゃん」ばかりが9人。またこの集まりは、皆さんの元気な姿を確認するためにもなるといいます。これからもずっと続けていきたいと博介さんは話しています。