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【8月7日放送】
楽園の住人
葉月の壱 愛媛県西条市
~流木に命吹き込む家具工房~

瀬戸内海に面した愛媛県西条市にある“branch rework(ブランチリワーク)”は、手作り家具と雑貨のお店。主人公の越智哲雄さん(59歳)と妻の三保子さん(59歳)が営んでいます。“branch”は「枝を伸ばす」“rework”は「再生する」という意味。哲雄さんが流木や廃材を再生させた作品を、三保子さんが販売しています。
建設会社の二代目で、道路の建設などをしていた哲雄さんは、三保子さんと会社を切り盛りしてきました。そんな哲雄さん唯一の息抜きは、建築現場の廃材などで木工をすることでした。しかし不況が一家を襲い、6年前には会社を廃業。その後、会社を継ぐはずだった長男の再起を支えたご夫婦。やがて自らも新たな人生を歩むため2009年、自宅の庭でお店を始めたんです。
再生する事の素晴らしさを誰よりも知っているご夫婦の生き様は、日々ものを、人を大切に思う心で満ち溢れているんです。

“Branch rework”の家具はユニーク。煤けていたり、穴が開いていたり・・・。しかし、これが哲雄さんの作品の魅力。海辺で拾ってきた流木や廃材を利用し、古い木材ならではの味わいをいかして作っています。木工をする哲雄さんは作品に負けないくらいシブイ!建設会社時代からの職人肌。自分の世界に入り込み、作業中は三保子さんが話しかけても返事をしません。お喋りが大嫌いなんです。

無骨な哲雄さんから生まれる作品は、ユニークでお洒落。
完成すると三保子さんがお店にかわいらしくディスプレイします。作品は様々で、流木の自然な形を生かしたイスに、廃材で出来たシンプルで温かみのある下駄箱。はたまた愛らしい表情の動物のオブジェなどなど・・・。
どれも材や風合い、デザインが違う世界に一つの一点ものです。

浜辺にやって来たご夫婦。美しい瀬戸内の風景には目もくれず材料の流木を拾います。三保子さんが必死で探した木材を「ゴミや!」と言い放つ哲雄さん。作品のイメージに結びつかない流木は持って帰らないというのが哲雄さんのポリシーなんです。「流木も苦労してきた。人間も一緒。山あり谷あり。」こうして、拾われた流木たちは木工作品として新たな命を吹き込まれるのです。

10人の家族が揃うと夕食は賑やかです。家業の廃業から再起した長男の雄一郎さんは現在、カフェを経営。哲雄さんの作品を店で宣伝してくれています。実は哲雄さんと三保子さん、今もカフェを手伝い長男夫婦を応援しています。廃業という苦難を経て、支え合う一家。次男の浩二さんも「親父のまっすぐな生き方に憧れる」とおっしゃいます。でも、ここでも何も答えない哲雄さんなのです・・・。

朝から木工に没頭していた哲雄さん。完成した作品を浩二さんに届けます。半年前、浩二さんは家を建てました。その時に使った足場の板から哲雄さんが作り出したのは、味わい深い本棚。「じいじ、ありがとう」と孫の日向ちゃん。頬を緩めた哲雄さんには新たな夢があります。それは子供達に流木を使った物作りを教えること。ご夫婦が見つけた再生する喜び、皆に伝えていってください!

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TEL:0898-76-2022
営業時間:
午前9時~午後5時30分
年中無休

周ちゃん広場

主人公、越智さん一家も常連のお店。
西条の豊かな自然に育まれたおいしい野菜や果物、魚介類が手に入る産地直売所です。新鮮さと安さは直売ならでは。
地元の方が作る加工品も好評です。
東予丹原I.C.から約1Km。
生産者と消費者の距離を近づける、楽しいイベントもあるそうです。
お近くにお越しの際は、一度足を運んでみては?

TEL:0898-65-6181
営業時間:
午前10時~午後5時
木・金・土曜営業





branch rework(ブランチリワーク)

越智さんご夫婦が営む、流木や廃材を使った手作り家具店。家具だけではなく可愛い動物のオブジェも人気です。
「みんなが顔を出してくれる店にしたい」と言う三保子さんはとってもフレンドリーに対応してくれます。
でも、作業場の哲雄さんが木工に集中しているときは・・・あまり話しかけず、ちょっと遠くから見学するのがオススメ!
営業日は木・金・土だけですので、くれぐれもご注意を!!

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