今回は、下町風情溢れる東京都荒川区でドールハウスショップ「ミニ厨房庵」を営む河合行雄さん(59歳)と朝子さん(59歳)が主人公です。
アパレル会社に勤めていた行雄さんは朝子さんと結婚後、家業の金属プレス工場を継ぎました。不況の影響で仕事が減少するも、工場をつぶしたくないと頑張ってきた行雄さん。一方、子供が独立し手のあいた朝子さんは長年の夢だったドールハウス教室に通い始めました。リアルなミニチュア鍋がほしくなった朝子さん。行雄さんに金属製の鍋を作ってほしいと頼みました。行雄さんが工場の機械を利用して作ったミニチュアの銅鍋は大好評!そこで2005年、金属の厨房器具のミニチュアを販売する「ミニ厨房庵」をオープンしました。傾きかけていた工場を救ったドールハウス。今では海外の展示会を目指すまでになりました。下町の工場から世界へ!これからも夢に向かって翔いていってください!!
ヨーロッパ発祥の「ドールハウス」は実物の12分の1の縮尺。ミニチュアの家具や食器を飾り鑑賞する趣味のことです。「ミニ厨房庵」では行雄さんが金属製のミニチュアを、朝子さんが粘土で作ったミニチュアを販売しています。ご夫婦が作るミニチュアは、本物と見間違えてしまうほど!このお鍋の大きさは10円玉より小さいんです。本当にリアルな出来!
行雄さんは金属プレス工場の2代目です。お父さんが始めた工場は最盛期には住み込みの従業員もいたほどでしたが10年前から仕事が激減。工場は廃業の危機に・・・。しかし朝子さんの趣味のドールハウスをきっかけに再び元気を取り戻しました。行雄さんの愛用する工場の機械はミニチュアを作るのにピッタリ。「今までの経験が無駄になっていない」とミニチュアを作る行雄さんの手に力が入ります。
お店を出した今も腕を磨こうとドールハウス教室に通う朝子さん。講師の鎌田先生はドールハウスの世界では知る人ぞ知る達人!酒瓶や焼き物などなんでもミニチュアにしてしまいます。そんな鎌田先生が唯一作れなかったのが金属製品。行雄さんが金属加工の仕事をしていると知り、金属製品を作ってみたらと提案してくれたんです。そこから始まったミニ厨房庵。鎌田先生はご夫婦の恩人です!
現在ミニ厨房庵を手伝ってくれている長女のあさみさん。ご夫婦の忙しそうな姿を見て力になりたいと去年から仲間に加わりました。美術大学で学んだ知識と技術をいかし、新しいドールハウスセットの考案をしたり活躍してくれています。孫のななみちゃんも粘土が大好き。家族そろってドールハウスの世界にはまってしまいました!
栃木県の那須にもドールハウスのお店を構えるご夫婦。ここにはミニチュアを作る上でお手本にしているお店があります。それが羽田まりあさんの営む西洋アンティークのお店。海外の家具をミニチュアにしたいと考えるご夫婦。家具の使い方やその時代の生活感までミニチュアに取り入れたいと思っています。そこまで真剣に取り組むのは、大きな夢があるから!
河合さんご夫婦の夢、それは来年アメリカ・シカゴで開かれるドールハウスの展示会に作品を出展すること。海外でも通用するドールハウスにするため、家族でミーティングです。展示会に出す作品のコンセプトを決めるにも大白熱!世界の舞台まであと半年。ドールハウスという小さな世界が育ててくれた大きな夢を家族力を合わせて叶えていってください!