舞台は山と茶畑に囲まれた静岡県の西部・森町。この町で創作家具を作っている入澤崇男さん(63歳)と、妻の明子さん(62歳)が主人公です。木工が大好きだった崇男さんは、50歳の時、会社を早期退職しサラリーマンから家具職人へ転職。6年前、森町で見つけた廃屋の製材所を購入、解体から内装まで自ら行い、家具工房を建築してきました。
現在、崇男さんは袋井市の自宅から車で30分の工房に通い、家具と工房作りに励んでいます。“家具工房をみんなの楽園にしたい”という想いを胸に、真っ直ぐに生きる崇男さん。そしてそんな夫をがっちり支える明子さん。これからも夫婦仲良く、夢の詰まった家具工房で、木の温もりを伝える家具を作り続けてください!
崇男さんの手作り家具工房「創藝舎(そうげいしゃ)」。6年前、廃屋だった製材所を購入し、解体から基礎工事、内装に至るまで自ら手がけてきました。現在、工房は95%完成しています。こちらは100㎡の広々としたギャラリー。崇男さんが作った拘りの家具が展示されています。他にも木の温もり溢れるリビングやキッチン、ゲストルームなどがあり、工房全体で270㎡もあるんですよ。
崇男さんが一番拘っているのはこちらの市松模様をデザインした創作家具。ケヤキの小さな端材を一枚一枚張り合わせ、美しい彫刻を施し、艶やかな市松模様を浮かび上がらせています。大きいテーブルだと使う端材は千枚以上!「一見クズみたいな端材も、張り合わせると美しい模様になる。不必要な端材なんて一つもない!」と語る崇男さん。拘りの職人魂、かっこいいです。
いずれ崇男さんと工房に移り住むことを決めている明子さん。工房の脇で野菜作りを始めました。しかし、ズッキーニは土の栄養分が葉っぱに行き過ぎたため、実が小さくなってしまいました。野菜作り初心者の明子さんが頼りにしてるのは、工房の隣に住む小原さんご夫妻。この日は堆肥作りのコツを教えてもらいました。温かいご近所さんがいて、心強いですね。
工房がほぼ完成したことを記念して、この日、崇男さんはお披露目会を開きました。参加したお客さんは100名以上。弾き語りや中国楽器の演奏などのコンサートを開き、その後は盛大な打ち上げ。工房作りを応援してくれた皆さんに心から感謝しました。そして、これまでの自分を支え、惜しみない協力してくれた明子さんと子供たちの優しさを知り、思わす涙ぐむ崇男さんでした。