舞台は、香川県高松市国分寺町。この町で農村カフェ「開耶香房(さくやこうぼう)」を始めた橋本玉江さん(61歳)が主人公です。病院の調理スタッフとして勤務する傍ら、農協婦人部の活動にも積極的に関わってきた玉江さん。病院食やハーブ栽培などについて学ぶうちに、「食」への興味を抱くようになりました。その後、農業体験施設に転職。グリーンツーリズムなどに関わり、農業の今後についても考えるようになったといいます。「食」と「農業」、このふたつは切っても切り離せないものと考えた玉江さん。いつしか「食と農を体験できる店を作りたい」という夢が芽生えます。そんな玉江さんを後押ししてくれたのが、山野草農家の夫・正計さん(57歳)でした。こうして今年3月、玉江さんは念願のお店を開店。温かな家族に支えられた「開耶香房」、これからも大事に守っていってくださいね!
町を見下ろす高台にある「開耶香房」。お店では、長男佑介さんのお嫁さん・妙子さんが作るシフォンケーキに、自家製ハーブを使ったハーブティー、そして地元食材をたっぷり使った玉江さんのコロッケなどを味わうことができます。のどかな田園風景を眺めながらいただくとまた格別!開店してまだ3ヶ月ですが、毎週遊びに来てくれる常連さんもできました。
店先には、色とりどりの山野草が植えられ、お客さんの目を楽しませています。これ、実は山野草農家の正計さんが「お客さんも母さんも喜ぶから」と言って植えてくれたもの。山野草栽培は、毎日何時間も水遣りをしなければならない重労働。仕事の合間に、お店で鳥の声を聞きながら一服するのが、正計さんの息抜きになっているんだそうです。
この日はお店で、正計さんの育てた山野草を使い苔玉教室を開催!正計さんと一緒に山野草を栽培している長男佑介さんが講師です。玉江さんと、正計さんの父・正行さんも飛び入り参加で苔玉作りを楽しみました。参加者した皆さんも、完成した苔玉に大満足!家族みんなが、玉江さんのお店を盛り上げてくれています。
毎年家族揃って旅行に出かけていたという橋本さんご一家。今はそれぞれ別の道を歩んでいますが、次男・貴司さんのお子さん紗那ちゃんのお宮参りの日、久々に家族が大集合しました。お宮参りの後は「開耶香房」で家族揃ってバーベキュー!にぎやかな笑い声が耐えない楽しい一日になりました。
敬老会が行われたこの日、玉江さんはある計画を立てていました。近所の年配者をお店に招待しようと考えたのです。開店してまだ日が浅いため、ほとんどの方が初めての来店。集まった皆さんは、お店からの景色に感激!シフォンケーキも好評でした!「地域の人が気軽に集まり、新しい農村作りを語り合えるお店にしたい」そんな玉江さんの目標に一歩近づきました。