千葉県鴨川市の山間部。美しい棚田が広がる鴨川の風景に魅せられ、ここに移住した主人公の井上静雄さん(59歳)と春子さん(59歳)。東京で市役所に勤めていた静雄さんは、娘のアレルギーがきっかけで食に関心を持つようになりました。そして9年前、夫婦で鴨川市にある農業体験施設の会員に。通ううちに静雄さんは鴨川が気に入り、移住をしたいと考え始めます。土地が見つかると、静雄さんは早期退職し単身移住。その後、家が完成するのと同時に春子さんも移住し、夫婦揃っての田舎暮らしがスタートしました。
ご夫婦の夢は100%自給自足の暮らし!野菜はもちろん、塩も醤油も作るお二人。さらには地域の方との交流にと大忙しの毎日です。でも何もかも楽しんでやっている井上さんご夫婦。これからも夢に向かってがんばっていってください!
こちらは房総に伝わる郷土料理、「太巻き祭り寿司」。お祝い事やお祭りのときによく作られます。山で採れた食材を使い、花やかたつむりなど、様々な美しい模様を作るのが特徴です。見た目だけではなく、味も絶品!でも綺麗すぎて食べるのがもったいないくらいですね。
夫婦が住む地域には日本の棚田100選にも選ばれた「大山千枚田」があります。そこでは棚田オーナー制度を設け、一般の方々に田植えや稲刈りなどを体験してもらっています。静雄さんは1年前から大山千枚田保存会の支援者になりました。棚田オーナーさんに田植えを教えるのは今回が初めて。少し緊張しながらも堂々と植え方を教えていらっしゃいました。
井上家の愛犬「りんごちゃん」です!
りんごちゃんは静雄さんが大好き。どこへ行くにもついていきます。とっても甘えん坊で静雄さんからひと時も離れません。その愛らしさにスタッフもりんごちゃんにメロメロでした。
自宅前にある畑では井上さんご夫婦がエシャロットやキヌサヤなど色々な野菜を作っています。実はこの畑、夫婦それぞれの領地には干渉しないという厳しいルールがあるんです。作り方も植えたいものも違う井上さんご夫婦は、だんだんとそれぞれ自由に作るようになっていったんです。これが夫婦円満のコツかもしれませんね。
この日、鴨川の海岸までやってきた井上さんご夫婦。ポリタンク3つも海水を汲んで何をするのかというと…実は塩を作るためなんです。自給率100%の暮らしを目指す井上さんご夫婦は、塩・味噌・醤油も全部手作りをしているほどの徹底ぶり。静雄さんは、こうやってじっくりと時間をかけて何でも作るのが楽しくてたまらないそう。
ご夫婦が住む地域には、女性が集まり出産や子育ての安全を祈願する「子安講」が今もなお続いています。現在では女性たちが食事をしたり情報交換したりする交流の場として形を変えました。春子さんはこの日、2回目の参加です。移住してまだ間もなく、あまり知り合いがいない春子さんにとって、ここに来ることで地域の方と知り合えることが嬉しいとおっしゃってました。
もっと知り合いを増やしたいと思った春子さんには、最近新たな夢ができました。それは自宅で「無料休憩所」を開くこと。地域の方や、棚田を見に来た方に自宅に寄って頂いてお話ができたらと考えたのです。鴨川市での暮らしをめいっぱい楽しむため、毎週土・日に看板を掲げ、無料休憩所をする事にしたんです!