長野県千曲市でギター工房を営む上水清さん(64歳)と妻の英子さん(62歳)が主人公。高校教師だった清さんは40代になって様々な趣味に目覚めます。なかでもクラシックギターの音色に魅せられ、上田市に住むギター職人・石井栄さんのもとへ週末ごとに通い、ギター作りを学びました。定年退職後アマチュアギター製作のコンテストで金賞を受賞したのを機にギター作りに専念。英子さんは、そんな夫を見守りながら趣味の野菜作りを楽しんでいます。それぞれの趣味を活かしたスローライフを満喫するご夫婦、うらやましい限りです。
ギター作り最大の難関と言われているのが「はぎ」と呼ばれる作業。実はギターの表部分は2枚の板を張り合わせて作られているため、カンナで板を精密に削り2枚の隙間をなくさなくてはなりません。清さん、真剣な表情でとり組んでいます。
清さんが手作りクラシックギターの素晴しさを知って欲しいと計画した演奏会。清さんが製作したギターの音色は、皆さんの心に深く響き渡り、演奏会は大成功に終わりました。
何年も放置されていた上水家の放棄田。清さんは友人たちと伐採を行いました。美しい田んぼに戻すには、もう少し時間がかかりますが、本来の棚田の風景を少しだけ取り戻しました。
清さんは今も新作ギターが完成すると、師匠・石井栄さんの工房へ出来栄えを見てもらうために訪れます。努力の甲斐あって、師匠から高評価をいただくことが出来ました。