柳原尚之先生(季節を噛みしめる)

高野豆腐

日本には古来、たくさんの保存食があります。
乾物には、生のままとは別の深い滋味があります。
多くの乾物に共通しているのが、使う時には水でしっかり戻してから使うこと。
戻し方によって、味や食感が変わります。
溢れるだしの味をいただく、まさに噛んでおいしい料理です。
先人たちの知恵を上手に受け継いでいただきたいものです。

1人分 エネルギー 97kcal 塩分0.9g
テキストNO.196 P106

材料(4人分) 高野豆腐…3個
<煮汁>
 だし汁…2カップ
 砂糖…大さじ5
 薄口醤油…大さじ1
 塩…小さじ1/3
 酒…大さじ1
スナップえんどう(茹でたもの)…8本
木の芽…4枚

材料補足 *だし汁の作り方…昆布20cm長さと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。

下準備

高野豆腐を膨らませる(戻す)
高野豆腐は横2つに包丁で切り、ボウルに入れる。たっぷりの湯を注ぎ、落とし蓋をして、さらに被せ蓋をする。1分ほどしたら高野豆腐を裏返し、もう1分ほど蒸らして十分に膨らませる。

作り方

1. 膨らませた高野豆腐を水にとり、水中で両手で挟んで壊さないように揉んで濁りを除く(最初、含んだ熱湯が出てくるので、加減しながら少しずつ揉んでください)。水を取り替えてこれを2〜3回繰り返してから、半分に切る。
2. 鍋に煮汁の材料を合わせてひと煮立ちさせ、高野豆腐の水気を両手で挟むように絞ってから入れ、弱火で3分ほど煮る。
3. 2にスナップえんどうを半分に切って入れ、味がなじんだら、器に盛り、木の芽を飾る。

ポイント
  • <膨らませる>
    凍らせて乾燥させた高野豆腐は熱湯でしっかり膨らませます。熱湯で戻すとキシキシとした感じがなく戻ります。冷めないように二重に蓋を被せます。
  • <しっかり絞る>
    高野豆腐は、膨らませたままでは味が入りません。しっかり絞って、小さくなっているうちに煮汁へ。元の形に戻ろうとするときに煮汁を吸い、味が含みます。