DIARY
ダイアリー

D日記 #344 マホーン湾/カナダ

多くの島々が浮かぶ穏やかな海を眺め、海辺の心地よい暮らしを愛する人々が身を寄せるマホーン湾。周辺の村や町には、海とともに生きる人々の日常を支える専用の船着場が幾つも点在しています。

今回取材で訪れたボートショップのネルダーさん一家の暮らしも、まさに海と隣り合わせにありました。自宅兼工房を構え、道を挟んだすぐ目の前にあるのは小さな船着場。そこは、地域の人々が好きな時にいつでも使えるコミュニティ共有の桟橋です。

娘のデイナさんが乗っていたボートもまた、ご近所同士で海を楽しむための共有物。「今日の乗り心地はどう?」「明日の天気は荒れそうかい?」――同じ海やボートを愛する者同士で交わされる何気ない会話が、日々の近所付き合いを温かく円滑に彩っています。

子供の頃にイギリスから家族で移住してきた母のパットさんは、目の前の海を愛おしそうに見つめながら語ってくれました。

「セーリングを楽しみ、この美しい島々と海を愛で、気の置けない友人がいて、ボートに乗れる……そんな暮らしができるなんて、私は世界で最もラッキーな人間の一人だと思っているんです」

海の豊かさと人々の温かい絆が織りなすマホーン湾の暮らしには、かけがえのない幸福な時間が満ちています。