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#786
2021年8月22日

テレビ朝日LIVEシンポジウム「SDGsカーボンニュートラル実現へ」

【番組司会】寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)
      八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
テレビ朝日が社会課題の解決に向け、オンラインで行なっている「LIVEシンポジウム」。

第5回のテーマはSDGsカーボンニュートラル実現へ最前線から未来をつくる!
2021年6月26日(土)開催。

「2050年までにカーボンニュートラル、脱炭素社会」の実現に向け、環境負荷のない“水素”が世界から注目。
その最前線を走る企業幹部の方々、政府幹部に、現在の取り組み、世界の動向、実現への道筋を伺い、日本の今後の戦略について考えました。

https://www.tv-asahi.co.jp/live-symposium/archive/0005/


【登壇者】
川崎重工 常務執行役員 水素戦略本部長 原田英一

JERA副社長執行役員 奥田久栄

国際協力銀行代表取締役総裁 前田匡史

経済産業省 産業技術環境局長 山下隆一

進行:大下容子(テレビ朝日アナウンサー)

ナレーション:紀真耶(テレビ朝日アナウンサー)



<政府の考え方・取り組み>
経済産業省 産業技術環境局長 山下隆一
水素、アンモニアは直接的に発電の脱炭素化に貢献できるだけでなく、産業や運輸など幅広い分野で活用可能性が高く、近い将来の社会のインフラになると考えている。

またITなどのように日本が、技術で勝ってビジネスで負けたということにならないよう「社会実装」されていくよう国際標準化を常に視野に入れルールをつくっているところだそうです。



<川崎重工の取り組み>
世界初となる液化水素運搬船を開発しただけでなく、「水素をつくる・はこぶ・ためる・つかう」という世界で唯一サプライチェーン全体の技術を開発し、実現に向けて大きな進展を見せている。

川崎重工 常務執行役員 水素戦略本部長 原田英一
全体の技術を我々が開発することで、どこか一部に無駄なコストをかけずに全体を最適化した値段がつけられる。
また国際的な規格を作る上でも非常に大きな強みになると考えているそう。



<JERAの取り組み>
東京電力と中部電力それぞれの火力発電と、燃料事業を統合したエネルギー企業「JERA」。

日本最大の発電会社は去年、国内外の事業で排出するCO2を2050年時点で実質ゼロにすると発表。
洋上風力発電、アンモニアに着目し「再生可能エネルギー」の開発促進に取り組んでいます。

アンモニアは、燃やしても、水と窒素が出るだけでCO2を出さず、水素より高い-33℃で液化できるなど有望なクリーンエネルギーと注目されるものなのです。

JERA副社長執行役員 奥田久栄
「2050年脱炭素を目指す」というのは、エネルギー市場に入っていくための入場券と思っている。

再生可能エネルギーは、自然条件に応じて、どうしても出力が変動してしまうが、今の火力発電所を使いながらアンモニアや水素を利用しCO2を出さない電気を作る「ゼロエミッション火力」をうまく組み合わせれば、電気の安定供給ができるようになる。

多くのヨーロッパ辺りのエネルギー事業者・電力事業者は「再生可能エネルギー」で脱炭素を目指しているが、JERAは、再エネでだけではなく「ゼロエミッション火力」をうまく組み合わせる形で「脱炭素」を目指していく。



<国際協力銀行の取り組み>
水素を使った燃料電池車の世界市場の1つアメリカのカリフォルニアのスタートアップ企業に国際協力銀行は去年2300万ドルを出資。

水素ステーションを運営する企業の事業拡大を支え、このノウハウを日本に生かすことを視野に入れている。

国際協力銀行代表取締役総裁 前田匡史
燃料電池車の技術は日本が先行していたが、普及では遅れを取り始めている。
日本は水素ステーションの設置数は最多だが、燃料電池車の普及台数では韓国やアメリカなどに差をつけられている状況。

その原因は安全の規制の厳しさによるコストやそれぞれの国の後押しの違いによる。
世界の企業などに投資する上で世界の動向を見据え日本に役にたつ戦略を決めていこうとしている。



<イベントを企画した理由>
テレビ朝日 ビジネスプロデュース局
イベントプロデュースセンター
戦略担当部長 松原文枝


世界の中で日本がトップリーダーになれるか瀬戸際になっている、非常に重要な時期だと世間に伝えたかった。
今回のイベントで「日本が進んでいる」と思っているだけでなく世界の動向に目を向け日本の戦略を考えていくことの重要性が伝わると嬉しい。