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#740
2020年9月13日

山口真由さんとテレビ

【番組司会】寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】山口真由(信州大学特任准教授)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
<プロフィール>
1983年 北海道生まれ
東京大学法学部 入学
 3年時 司法試験に合格
 4年時 国家公務員試験1種試験に合格
2006年 財務省入省
2009年 弁護士として活動
2015年 ハーバード大学 ロースクールに入学
2017年 NY州弁護士資格取得
2020年 東京大学大学院 家族法の博士号取得
執筆活動やテレビのコメンテーターを勤める
テレビ朝日 羽鳥慎一モーニングショーの月曜コメンテーター


<勉強するのは好き?>
天才肌ではなかったので、地味に地味に努力を継続するタイプだと思います。
勉強するのが楽しいと思ったことはほとんどないです。
本を読むのが好きで、小学校の図書館の本を全部読もうと思って毎日本を借りていました。
読むことがそのまま勉強につながったのはラッキーだったと思います。
小学校5年生の頃、小和田雅子さんにあこがれたころから霞が関を意識し始めました。


<テレビについて>
食事の後に家族でテレビを見る団欒の時間を楽しみにしていました。
ミュージックステーションは大好きで夢に見るほど。
父と観ていたドラマ「官僚たちの夏」の影響もその後の進路に影響があったと思います。
今、録画して観てるのはドキュメンタリー。
他人の困難を見て自分の生活をかえりみ、もっと人にやさしくならねば!と思うようになりました。
財務省時代は、国会中継がないときは職場で報道番組がついていた。




<テレビについて思うこと>
ディテールの部分を報道することが大切だと思う。
選挙報道は難しいとは思いますが、本当の公正とはなにか?を考えていました。
討論会も開かれず、対立候補と現職の論点が浮かび上がってこなかったというのが印象としてありました。




<テレビに出演して感じること>
言いたいことをどこまでいうべきか、どこまでぼやかすべきかを常に考えてしまいます。
コメンテーターをする時に気を付けていることは、「血肉感を出さないといけない」ということ。
具体的なエピソードや絵が浮かぶことが大切なので、「知識を7割、自分の経験を3割」と意識して発言するようにしています。
「自分の発言は大丈夫だったかな?」と常に気になるので、出演番組は必ず録画して見るようにしています。未だに自信はないです。

テレビの功罪は、あまりに単純化してステレオタイプに切り取るところ。
人はみな複雑で葛藤を抱えながら生きているから、少しだけ複雑な要素を入れた発言をしていきたい。


<新型コロナウイルス禍でかわったこと>
人は、人に会わずに生きていけないと確認しました。
ステイホーム期間中に玉川さんや石原さんにお会いしたかった。
お会いできた時、本当に嬉しかった。
同じ空間を共有できるということが人間の根源だと、
私たちはAIには決して代替されないのではないかと思うようになりました。


<家族法の研究>
どうして結婚するのが普通という価値観があるのだろう?
どうして結婚して子供を育てることがきちんとしたことだという価値観があるのだろう?
といった自分の中のモヤモヤを前の世代が考えていて、言葉にしようとしていたことに感動したんだと思います。
「親とは何か?」という答えの出ない問いを延々と考えていくアカデミクスの世界に足を踏み入れたいと思っています。


<テレビとは?>
『スタンダードなもの
  枝葉ではなく幹の部分』
         山口真由