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栗山:でも考えてるから「違ったな」って分かるわけで、日本シリーズの時もあの短い態勢の中で試合をこなしながらたった4試合ですけど、最初の1試合2試合ですごくいろんな情報を持たれていたので、それってあの緊張した場面で「そこまで見てられるのかな?」っていうのが僕はすごい感動したんですけど。 阿部:点差もけっこうあったし、いろいろ1戦目とかで試せたっていうのがあったので。カブレラ選手にホームラン打たれましたけどね。まああれも自分で上原さんに言って、「インコースいきますから」って言って。「打たれてもいいでしょう」って。 栗山:(笑) 阿部:「もしホームラン打たれても今日は勝てばいいんですから」って言って。 栗山:でも初めての日本シリーズですよね?で初戦は当然大事だっていうの皆分かってるし、でもそのかわり自分はやっぱり自分の意志をはっきりさせるっていうところが・・・ 阿部:そうですね、はい。 栗山:何で・・・ 阿部:やっぱり分かってくれましたからねちゃんとそういうの。多分上原さんも第1戦投げて次の試合の事も考えててくれてたと思うんですよね、やっぱりそこまで。だからそういう事も考えられてるんで。やっぱりすごいピッチャーですから。 栗山:という事はそういう事ができるキャッチャーがある意味理想というか・・・ 阿部:そうですかね。だけどもっと僕は追及していきたいところありますけどねいろいろ。自分の中で。 栗山:でもたとえば自分がホームランを何本打つとか、セカンドに走った時にこれだけアウトにする数とか、そんな事よりもそっちの方向が? 阿部:まず第一ですね。 栗山:今年また理想に向かって1つずつ進んでいくんですけど、どんな140試合にしたいですか? 阿部:勝つ野球っていうのを意識して140試合やりたいなと。それだけしか思ってないですね、今のところは。 栗山:2年間のデータの蓄積が阿部さんにもあります。かたやバッターにも阿部さんのデータの蓄積があります。これって3年目楽しみですか? 阿部:そうですね、楽しみですね今は。だけど多分僕にも配球のくせっていうのはあると思うんですけども、そういうのを見てたまには変えるって事もできるんですけども、根本的に全部「こうだから全部変えよう」って言ったら多分ぐっちゃぐちゃになってしまうんでね。やっぱりそこはもうスタイルは変えないように僕はいきたいですけどね。 栗山:日本シリーズ前も村田コーチが「日本一になって日本シリーズ越えて物すごい財産得るんだよ」ってずっと言われてましたよね? 阿部:もう最初から最後までね「絶対勝たなダメだ」って言われてて。 栗山:阿部さんにはね。 阿部:はい。 栗山:はー。 阿部:だから多分村田さんも逃した経験あると思うんですけども、その時にやっぱりセ・リーグで優勝したって事が全然こうね、何かなかったような感じになってしまうんで、その「絶対勝たなダメだ」って言って。 栗山:特にジャイアンツの場合はそういうふうに言われますしね。やっぱり村田コーチの存在っていうのは非常に大きいものですか? 阿部:そうですね。しゃべれるっていうか、いろんな相談も乗れますし。もう今はいなくちゃね、いてくれなくちゃいけない方ですね、僕にとっては。 栗山:そうですか。 阿部:はい。 栗山:よくリードって言われるじゃないですか?でも実際に正直ある程度のリードをすれば普通のリードをすればピッチャーがそこに投げてきたらそこそこ勝ちますよね?思った通りにピシャっと全部の球が来るならば。やっぱりリードって投げ損ないもあるからリードが必要だと思うんですが、やっぱりかなり大きな要素ですか?打たれる時と打たれない時っていうのは。 阿部:どうですかね?ビシッと来ても打たれる時ありますからね。「あっ」って甘くなっても打ち損じる時もありますから。多分そこが一番野球の面白いところであって難しいところなんじゃないかなと。 栗山:一番「しまった」と思うのは、こっちは大丈夫だと思った時に思いっ切りそこを狙われていたりする時なんですか? 阿部:そうですね。そうしたらやっぱり僕も正直にピッチャーに謝りますし。見えてなかったなっていうのも正直にピッチャーに言って「すいません」っていう事をね。 栗山:やっぱりバッティングのイメージが、思いっ切りいいし豪快だしそっちのイメージがプロに入る頃強かったじゃないですか?でも本当はバッター人間、キャッチャー人間っていうと自分はどっちだと思います? 阿部:キャッチャーの方が楽しいですね、やってて。考える事は多いですけど自分キャッチャーじゃないですかね。 栗山:こんなキャッチャーになりたいというあこがれたキャッチャーっていたんですか?具体的な選手としては。 阿部:やっぱりアマチュアの時はずっと古田さんを目標に。日本一のキャッチャーってずっと言われ続けてる方なんでね。どうせやるからには日本一のキャッチャーになりたいなっていうのを思いながら古田さんを目標にやってました。 栗山:そうですか。 阿部:はい。 栗山:という事は毎年日本一になれるキャッチャー、そうなった時に多少納得? 阿部:いくら技術が上手くてもいくら打ててもやっぱり勝てるチームじゃないとキャッチャーっていうのはダメだと思うんで。ずっと優勝とか日本一になれればそれは本物だと思いますし、それが自分1人の力でもないですし、そうやってずっと勝つチームのキャッチャーだったら。今すぐ日本一のキャッチャーになるっていうのは絶対無理ですから、それは僕も分かってますし。だからそれはもう試合数を重ねていろんな経験をしてそういうのを少しでも言われるようになればいいんじゃないですか。 栗山:今年も日本一期待してます。 阿部:はい頑張ります。 栗山:ありがとうございました。 阿部:ありがとうございました。 |
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