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栗山:今「言われた」という話もあったんですけど、それはもう子供の頃からというかどのあたりからなんですか? 阿部:正直プロ入ってからですね。 栗山:言われたっていうのは誰に? 阿部:ずっと村田さんにね、「何かずっと考えてろ」っていう事を言われて。 栗山:「こういう時にはこういうふうなんだ」とか確認をそれぞれしていきながら・・・ 阿部:そうですね。それでもし結果的に打たれてしまっても後で多分それを覚えておけば同じような場面、まったく同じ場面っていうのはないと思うんですけど、そういう場面で「この前あの人はこうやって打たれたから今日も同じようにいってみるか」とかそういうのピッチャーね、調子とかもありますし、それがデータっていう、自分の中のデータだと思うんで。そういうのを去年は使えたかなと。 栗山:という事は、バッターが考えてる事が100%分かったらある程度理想に近付くのかななんて気もするんですけど? 阿部:そうですね。もう分かったら面白くないですからね。 栗山:(笑) 阿部:やっぱり気分ってあると思うんで、1打席ずつ変えてくる人もいるし、1球1球変えてくる人もいるし、そういういろんなタイプいるんで。そういうタイプだとしてもまた変えてくる人もいるし。だからそういうのを見て「あっ、変えてきたな」とかそういうのを感じるだけでも、またその次に「あっ、この人変えてくるんじゃないかな?」とか「また変えてくるんじゃないかな?」とかそういうのを考えながらね、ある事ない事だと思うんですけどもとにかく考えろみたいな。 栗山:それすごい大変な作業ですよね?毎日それが・・・ 阿部:ずっとバッターいるわけですからね(笑)。 栗山:ですよね。そういった意味ではもちろん試合が終わった後に自分の中でこういうふうに感じ、考えてこういうふうにやったんだから「これ失敗だったな」とか「成功したな」って考える、復習するというかそういうのをやるわけですよね? 阿部:それは寮とか帰って来てちょっと落ち着いてからニュースとか見て思い出すじゃないですかやっぱり。それで「ああ、あそこか」とか「もうちょいああやって構えてあげれば良かったかな」とかそういうのも感じますし。「あそこのボール、もう1球いっといてその後こうだったらどうだったかな?」とかそういう反省はしますね。 栗山:でも休む間ないですね? 阿部:そう。だけどゆっくり寮へ帰って来てそこまでで、すぐもう次の日あるんでやっぱりすぐ切り替えないと。 栗山:もう1つ僕が思うのは、ちょっと阿部さん自身はそれとこれとは関係ないって言われるかもしれないんですが、環境としてお父さんが素晴らしいキャッチャーでしたよね?アマチュア球界・・・ 阿部:どうなんですかね。分かんないです。 栗山:たとえばキャッチャーやった事ないとそういう事ってもう全然感じないでプレーしたりしますよね?ところがそういう方がそばにいてくれたっていうのはまたちょっと阿部さんが早くそういう事に気がつく要因にもなってるのかななんて思うんですけど? 阿部:そうですね。そういう話はあまりした事ないんですけども、たまにキャッチャー心理を僕が聞かれるんですよ。親もキャッチャーだったんで野球見たりすると入ってしまうみたいなんですよね。 栗山:思いますよね。自分がリードしてるの・・・ 阿部:そうです。「俺がキャッチャーだったら」とか考えながら見てるらしいんですよ。だからそういうので「あの時何であそこへいったの?」って聞かれるんですよ、たまに。たまに家帰って討論会になる時があるんですけどね。 栗山:でも、その高いレベルで話するって普通の人はできないじゃないですか? 阿部:そうですね。だから僕はすごい恵まれてると思いますし、たまたま親がキャッチャーだったっていう事でね。そういうキャッチャーの楽しさっていうのを最初聞いたのは親ですから。 栗山:やっぱりそうですよね。 阿部:はい。 栗山:という事は、たとえば大学の時も高校の時もお父さんが見に来てくださると配球の事であったりとかそういう話をたまには? 阿部:そうですね。大学の時は多かったですね。 栗山:でもそういう環境って実は大学生の時にリードを、もちろん相手が分かってるんですけど大学は、それをすごく考えるスタンスを作るには今振り返ってみると・・・ 阿部:そういう事を早めに教えてくれてたんですごく僕は今ためになったかなと。 栗山:そうですか。たまには喧嘩になったりしないんですか? 阿部:熱くなってくるんですけどそこで僕も「あっ、そういう考え方もあるな」っていうとらえ方をして。多分完璧っていうのはないと思うんで。でも人それぞれ顔も違う性格も違うと同じように考え方って多分全員同じではないと思うんでね。そういうのも参考にしとけばどこかで使えるところが出て来ると思うんでね。 栗山:そういった中でジャイアンツのピッチャーって比較的力のあるピッチャーが多くて、すごく大まかな質問で申しわけないんですけどリードを組み立てる上でよくピッチャーを生かすのかバッターの弱点を突くのかとかいろんな事言われますけど、一般的に阿部さんはキャッチャーとしていつもどういうふうに考えてらっしゃるんですか? 阿部:僕は基本的にピッチャーを生かしたい方なんで。そういうのをミックスさせてやるのが一番なんですけど、やっぱりその日のピッチャーの調子って毎日同じような調子じゃないと思うんで。まずピッチャーの調子を見て相手のバッターも見るのも当たり前ですけども、そういうのでピッチャーを生かせたら(巨人の投手陣は)力のある人ですから大丈夫なんじゃないですかと僕は思ってるんですけどね。 栗山:やっぱり状況であったりとか本当にいいバッターが入ってる時とか相手を考えながらそこで変化していきながらっていう・・・ 阿部:そうですね。いいバッターとか来たら、まずバッターの事ちょっと考えてその後「今日の調子だったらどうかな?」っていうのは考えますね。 |
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