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中井貴惠の「絵本の世界へようこそ」
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 母子生活支援施設で生活するお母さんと子どもたちのために、毎年恒例で開催している「絵本の世界へようこそ」。今年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束がなかなか見えないなか、主催者の千葉県児童福祉施設協議会もたいへん苦悩されました。本来でしたらホールで生の演奏や朗読を楽しんでいただきたいところですが、今回はオンラインによる無料配信で上映することにしました。緊急事態宣言中の2月23日から3月3日の9日間、どなたでもご覧になれる形で無料配信致しました。

 「絵本の世界へようこそ」は中井貴惠さんの朗読と、石塚まみさんのピアノ演奏から成る舞台です。劇中使用される曲は、石塚さんが物語に合わせて作曲したオリジナル曲。今回は、主人公の心の成長を描いた2つの作品を読んでいただきました。

 最初の演目は、ケイト・ベアビー作、中井貴惠訳「メイがはじめてがっこうへいくひ」。出版社イマジネイション・プラスのご協力で実際の絵本に使われている、ケイト・ベアビーさんの素敵な絵を配信に使用させていただきました。
 お話の内容は、タイトルの通り、主人公メイが初めて学校へ行く日のお話です。
「学校で~~したら、どうしよう」と不安でいっぱいなメイ。校門近くの木の上に登って逃げてしまいます。そこへ、同じように不安を抱えたロージーやパール先生が登ってきました。メイはお話をしているうちに、不安なのはみんな同じなのだと安心します。
 石塚さんの軽快なピアノ演奏と、中井さんの巧みな朗読は、3人の不安を抱えた気持ちから前向きに変化していく気持ちを伝えました。初めて小学校へ登校した日や入学式を思い出しながら中井さんと石塚さんのメイに自分を重ね合わせ楽しんだ方もいらしたと思います。

 次の演目は、M・B・ゴフスタイン作、末盛千恵子訳「ゴールディーのお人形」。亡くなった両親の後を継いでドールメーカーとなった女の子ゴールディー・ローゼンツバイクのお話です。
 ゴールディーがつくる人形は、彼女にそっくりな優しくまっすぐな微笑みをしています。この人形をひとつひとつ心をこめて作ることで、手にした人たちもまた幸せにする。ゴールディーは、そんな気持ちで丁寧に人形を作っています。ある日、街のアンティークショップで中国製のとても美しいランプと出会います。この美しいランプを手に入れた事で起こる複雑な心の浮き沈み。仕事に対するこだわりや誇りに気づくお話です。
 「コツコツお人形を作っている姿を想い、曲を作りました。」という石塚さん。落ち着いた、優しいメロディはゴールディーそのものでした。心地よい中井さんの語りと共に素晴らしい「絵本の世界」でした。

 演目:
「メイがはじめてがっこうへいくひ」
 作:ケイト・ベアビー 訳:中井貴惠 出版:イマジネイション・プラス
「ゴールディーのお人形」
 作:M・B・ゴフスタイン 訳:末盛千枝子 出版:現代企画室

配信期間:2021年2月23日から3月3日まで
配信媒体:Vimeo(MANDALA TV),YouTube(オンザフィールドon the field)
主催:(福)千葉県社会福祉協議会・千葉県児童福祉施設協議会・母子生活支援施設部会
共催:テレビ朝日福祉文化事業団

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