

全日本大学駅伝の予選会、今年も全国で最後におこなわれたのが、中国四国地区。
会場は、例年通り、庄原市にある道後山高原クロカンパーク。12校の大学が集まりました。
1周2.5kmのクロスカントリーコースを4周する10kmのレースに、各校11人の選手がエントリー、上位8人の合計タイムで争います。
今年、最有力と言われていたのは、去年12月の中四国学生駅伝で優勝し、出雲駅伝への出場を決めている広島経済大。北京五輪マラソン代表の尾方剛監督が就任して2年目。6大会ぶりの全日本大学駅伝出場を目標に、これまでにない練習量をこなしてきていました。レース前には、尾方監督も、「普通に走ってくれれば大丈夫。行けるでしょう」と笑顔で語るなど、自信がうかがえました。
対するは、過去6年連続で本大会出場を果たしている広島大。こちらも、「下馬評を覆すべく走り込んできた」と、淡々と準備を進めていました。
ウォームアップ、招集が終わり、12時ちょうどにスタートの号砲。例年は力のある選手が序盤から抜け出すパターンが見られますが、今年は集団のままレースが進みます。広経大キャプテン・瀬戸(4年)や、広島大キャプテン・石川篤(3年)ら、有力選手は、その集団にきっちりとつけていました。
集団がバラけ始めたのは、3周目。先頭に立った広島修道大の妹尾(4年)がペースを上げ、ひっぱる形に。広経大勢は苦しい表情を見せ、徐々に遅れ始めます。
対照的に、落ち着いた表情で、上位にしっかりとつけ、自分のペースを守る広島大勢。
その後抜け出した、妹尾は独走態勢に。しかし広島修道大は、3番手以降の選手が続きません。妹尾がリードを作れるか…。
上位で通過していく選手たちの中で目立つのは、広島大の青と黄色のユニフォーム。着実に上位につけ、堅実な走りを見せます。
広経大は、全員が必死の形相で追い上げようとするものの、なかなかペースがあがらず…。
先頭でゴールしたのは、広島修道大・妹尾。
その後、30秒以上あいて、2位以降の選手が立て続けにゴールへやってきます。
広島大のトップは、全体4位の石川篤。後続は、6番手までが32分台、8番手でも33分3秒と、全員が手堅くまとめました。
広島経済大は、1年生の石川雅之が7位と粘りを見せたものの、2番手が19位。期待されていた選手たちが、想定したタイムから大幅に遅れてしまいます。
広島修道大は、ワンツーフィニッシュを飾ったものの、8番手が35分台と、後ろが続けませんでした。
タイム集計の結果、1位は、広島大。2位の環太平洋大に5分以上の大差をつけ、7年連続の本大会出場を決めました。
広島大・石川「広経大をライバルと思ってやってきた。勝てたのは、絶対的なエースがいない中で、
一人ひとりがどうすればいいかをしっかりと考えて、役割を果たしたからだと思う。
本大会まで残り1か月、全国で少しでも上で戦えるように頑張っていきたい」
広島経済大は、合計タイムでトップと6分22秒差の3位。尾方監督のもとでの全日本初出場は、来年以降に持ち越されることとなりました。
広経大・尾方監督「悔しいです。調子自体は良かったけれど、思った以上にプレッシャーを感じていて、それが走りに出てしまった。大惨敗なので、これ以下はないですから、這い上がっていくしかないですね。そういう気持ちを忘れずに来年にむけて取り組んでいきたいです。」
本命と言われていても、予選会を勝ち抜くことは簡単ではない。全国最後の予選会は、それを象徴するような戦いとなりました。
敗れた学校の思いを背負って、伊勢路に挑む、代表25校。今年の全日本大学駅伝も、熱い走りが見られそうです。
今回紹介するご当地グルメは、道後山高原クロカンパーク内にあるレストランの名物「ひばごんの郷 そば」。
去年のレポートでは、ごはんの入ったどんぶりを紹介しましたが、麺でもイケるんです。
ちなみに、うどんもあるので、お好みで選べます。
「ごはん」と「そば」は制覇したので、来年はうどんも試してみようかな…。