楽曲紹介
2014年12月7日
宮本文昭の「わが演奏家人生に悔いなし」-
♪1:交響曲第5番 第4楽章より
作曲 : L.v.ベートーヴェン
指揮 : 宮本文昭
演奏 : 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ベートーヴェンは難聴にもかかわらず傑作を書いたことから日本では「重厚な音楽」のイメージが強いが、30年以上をドイツで過ごした宮本文昭によると、ドイツのオーケストラは、ベートーヴェンを思いのほか軽快なテンポでエレガントに演奏するという。今回は宮本の指揮で、新しい解釈による演奏を目指した。
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♪2:G線上のアリア
作曲 : J.S.バッハ
編曲 : 前田憲男
ギター : 渡辺香津美
ヴィブラフォン : 前田憲男
パーカッション : 川瀬正人
指揮 : 宮本文昭
演奏 : 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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♪3:交響曲第5番 第4楽章より
作曲 : D.ショスタコーヴィチ
指揮 : 宮本文昭
演奏 : 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
自作品がソ連共産党の機関誌で批判され、弾圧の影が忍び寄るようになったショスタコーヴィチは、この交響曲第5番で当局の批判をかわすため、あえて古典的な交響曲の形式を採用。しかし、次のように自らの思いを忍ばせたと言われる。作曲者は権力の中で自我を主張するため、古いロシア語で「私」を意味する「A(アー)」の音を最後で繰り返した。宮本文昭は指揮者として最後の出演になる今回、この部分の「アー」=「私」を強調するため、遅いテンポで演奏した。