楽曲紹介
2014年9月14日
天才メロディメーカーが書いた最期のメッセージ名曲百選(22)チャイコフスキー交響曲第6番<悲愴>
-
♪1・2:交響曲第6番「悲愴」 第1楽章より♪3:交響曲第6番「悲愴」 第3楽章より
チャイコフスキーは欧州・米国の演奏旅行の成功、ケンブリッジ大学名誉博士号取得など名声を獲得。佐渡曰く「第3楽章の輝かしいマーチは人生の成功を象徴しているかのようだ」。
♪4:交響曲第6番「悲愴」 第4楽章より作曲家としての栄光を表す快活な第3楽章が第4楽章で一転、苦悩と悲しみに戻る。この交響曲「悲愴」は、ベートーヴェンの交響曲を手本とし苦悩に満ちた第1楽章で始まり、第2楽章は長年のパトロンで文通のみの関係のメック夫人への歪んだ愛情を表すワルツとなる。このように各楽章はチャイコフスキーが影響を受けた人物との関係が描かれているようにも解釈できる。チャイコフスキーは「『悲愴』の第4楽章にはレクイエム(鎮魂歌)の気分が溢れている」と語り、自筆楽譜に愛するウラジミールへの献辞を添えて初演の9日後に突然亡くなった。死因は特定できず。青島広志曰く「甥への遂げられぬ愛を悟り、悲しみに満ちた終楽章を書いたのではないか。『悲愴』はチャイコフスキーが自分自身へ書いたレクイエムだったのかもしれない」と。
作曲 : P.I.チャイコフスキー
指揮 : 佐渡 裕
演奏 : 兵庫芸術文化センター管弦楽団