楽曲紹介
バックナンバー
3月6日の楽曲紹介

♪1:バレエ音楽「白鳥の湖」より "情景"
作曲 : P.I.チャイコフスキー
指揮 :  十束尚宏
演奏 :  東京フィルハーモニー交響楽団

1877年初演。かねてからバレエの作曲をしたいと思っていたチャイコフスキーは、この作品に意欲的に取り組みますが、19世紀のロシアではバレエは踊りが主体で、音楽は単なるBGMという存在だった為、音楽が高度すぎると振り付け師から酷評を受けてしまいます。そして踊り手、指揮者にも恵まれず、初演は大失敗してしまいました。この失敗からチャイコフスキーは「二度とバレエ音楽を書かない」と決心したそうです。



♪2:バレエ音楽「くるみ割り人形」より "葦笛の踊り"
作曲 : P.I.チャイコフスキー
指揮 :  十束尚宏
演奏 :  東京フィルハーモニー交響楽団

1892年初演。この作品の内容は「お菓子の国の物語」。つまり子供向けの作品だった為、大人の踊り子はなるべく踊らせず、子どもの踊りを大胆にフィーチャーしたバレエとして完成させました。しかし、それが過ぎてしまったのか、観客の反応はあまり良くなかったそうです。現在3大バレエと呼ばれるチャイコフスキーの作品はことごとく初演には恵まれませんでした。



♪3:交響曲第6番「田園」 第1楽章 より
作曲 : L.v.ベートーヴェン
指揮 :  十束尚宏
演奏 :  東京フィルハーモニー交響楽団

1808年初演。ベートーヴェン本人企画・指揮のコンサートでお披露目されました。
当時としては50分を超える楽曲が長すぎたこと、そしてコンサートの時間も4時間を越えるものであったことから、初演は散々たる結果となってしまいました。実はリハーサル時に楽団員とベートーヴェンはトラブルを起こし、ベートーヴェンが指揮できたのは本番だけだったそうで、コンサートの出来が悪かったともいわれています。



♪4:ピアノ協奏曲 第1番 第1楽章 より
     (1) 改訂後(現行版)
     (2) 改訂前(初演版)
作曲 : P.I.チャイコフスキー
ピアノ :  三舩優子
指揮 :  十束尚宏
演奏 :  東京フィルハーモニー交響楽団

1875年初演。チャイコフスキーは当時、モスクワ音楽院にて教鞭をとっていました。この作品は、その音楽院の校長で、当時ピアニストとして脚光を浴びていたニコライ・ルービンシュタインに献呈するつもりで作られました。しかし、ルービンシュタインから「私の意見に従って根本的に書き直すのが望ましい」と激しく非難されてしまいます。
この作品に絶対の自信を持っていたチャイコフスキーは、別のピアニストに初演を依頼します。結果はルービンシュタインの酷評とは裏腹に大絶賛となりました。現在、広く愛されているこの作品は、ルービンシュタインの死後に書き直されたものです。



♪5:幻想交響曲 第4楽章 "断頭台への行進" より
作曲 : H.ベルリオーズ
指揮 :  十束尚宏
演奏 :  東京フィルハーモニー交響楽団

1830年初演。ベルリオーズは、当時人気の的であった女優ハリエット・スミッソンが出演する舞台を見て一方的に恋に落ちますが、無名の作曲家が相手にされるわけもなく、相手にされず精神を病んでしまいます。その思いは妄想的に膨らみ、なんと恋に落ちた女性(スミッソン)を殺し、自分(ベルリオーズ)もその罪で殺害されてしまうという物語を交響曲で描き復讐を試みます。このような斬新な手法は評価されセンセーションを起こし大絶賛されたそうですが、拒否反応を示した聴衆も多かったようです。



放送内容

 
Untitled Concert