作曲 : ヨハン・シュトラウス2世&ヨーゼフ・シュトラウス |
ポルカはボヘミア起源の2拍子の舞曲。全曲を通して弦楽器はピチカートのみで演奏されます。
ピチカートは、元来、剣のぶつかり合う様子を描写した奏法です。
♪2:劇付随音楽「アテネの廃墟」より トルコ行進曲 |
シンバルやトライアングルといった、トルコ起源の楽器を使用することを、この時代“トルコ風”と呼んでいました。この曲は、劇付随音楽「アテネの廃墟」(序曲と8つの劇中音楽で構成)のうち4番目の劇中音楽にあたり、主題は有名なピアノ変奏曲からとられています。トルコの軍隊が素朴なリズムで遠くから行進してきて、また遠ざかっていく様子が描写されています。
第4楽章の中盤、ここでもシンバルやトライアングルの使用により“トルコ風”となっています。そのリズムにのってとても小さな吹奏楽が「歓喜」の主題を変奏します。 このあと、テナー独唱の「歓喜」の主題の変奏につながっていきます。 リズムは本来のトルコ行進曲と違い、2拍目にアクセントがあり、ジャズ的な軽さと明るさがあり、「喜び」に向って行進していく様子が感じられます。
かなり大がかりな描写音楽で、曲は、さまざまなメロディが交錯しますが、1812年モスクワに攻め入るナポレオンの大軍を前に、「神に祈るロシアの民衆の祈り」から始まり、ナポレオン軍のフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が、民衆を助けに来たロシア軍の「ロシアの進軍」と戦い、次第に冬将軍も味方して「ロシア国歌」によって圧倒され、ついにはナポレオン軍が逃走、ロシアが圧倒的な勝利をうたいあげる様子を描いた大序曲です。
クライマックスでは、鐘がなり、大砲による描写もされます。
屋外で演奏されるときは、実際の大砲を空砲で鳴らす演奏もあります。CDなどでは、大砲の実音を録音して、オーケストラ演奏とミックスされているものもあります。

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