浅田真央選手がフィギュアスケートで使用したことで一躍有名になったハチャトゥリャン「仮面舞踏会」のワルツ。優雅な印象のワルツですが、実は“欲望の音楽”とも言えます。今回はワルツの歴史を遡りながらどのようにワルツが変わったのかを研究しました。
「剣の舞」でおなじみのソ連の代表的な作曲家ハチャトリアンが、原曲となる同名の戯曲に付けた音楽から1943年に5曲からなる組曲へ編曲したものです。「ワルツ」はその組曲の第1曲です。ハチャトリアンはアルメニア人(イラン系民族)ですが、随所に民族色の強い作風が見られます。
♪2:「管弦楽組曲 第2番」より第6曲 メヌエット |
1721年頃バッハ作曲。この「管弦楽組曲」は、その直筆譜が消失してしまっているため、作曲動機をや作曲年など確実な情報がありません。なので舞踊のために書かれた作品かどうかは不明ですが、当時踊られていたメヌエットの特徴を顕著に表した作品です。
1791年モーツァルト作曲。大流行していたドイツ民衆から生まれた舞踊であるレントラー風作品です。当時、庶民的な舞曲にタイトルをつけることが流行しましたが、この作品もその一つで「そりすべり」という標題がついています。
ウィンナ・ワルツはヨハン・シュトラウスII世の全作品の三分の一以上占めるワルツ作品です。
この作品は<ワルツ王>として知られるヨハン・シュトラウスII世が1867年に初演した作品で、もともと合唱曲として作曲されました。その後パリの万国博覧会で演奏されたオーケストラ版が大人気を博し、以後世界中で親しまれています。
作曲: C.M.v.ウェーバー
編曲: H.ベルリオーズ |
原曲はピアノ独奏曲で、1819年作曲。現在ではベルリオーズが管弦楽用に編曲した、今回お聞き頂いているバージョンで親しまれています。踊るための舞曲を芸術的なピアノ曲にしたという点で、歴史的な意義を持つ作品でもあります。
♪6:レーナウの『ファウスト』による2つのエピソード
第2曲 「村の居酒屋の踊り」メフィスト・ワルツ |
ピアノ独奏曲「メフィスト・ワルツ」でも知られているこの作品は、もともとは本日演奏する管弦楽曲として1860年に作曲されました。今日演奏するのは悪魔メフィストフェレスがファウストを伴って居酒屋に現れる場面で、メフィストフェレスがヴァイオリンを取り上げ、楽しげな速い3拍子踊りの音楽を演奏します。
指揮 : |
佐渡裕 |
演奏 : |
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 |

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