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12月21日の楽曲紹介

ヘンデル「メサイア」について

「メサイア」とはヘブライ語「メシア」の英語読みで「救世主」を意味します。つまり、この「メサイア」とは救世主キリストの生涯を描いた作品です。 歌詞はヘンデルの友人ジェネンズが、旧・新約聖書の両方から有名な言葉を抜粋したもので、大きく3つの部分<救世主生誕の預言と降誕><受難と贖罪><復活と永遠の生命>から構成されています。

宗教音楽ではありながら、この「メサイア」は、作曲当初からから教会用ではなく、劇場で演奏されるために書かれました。なので、1743年ロンドンで演奏された時には、「宗教音楽を娯楽用の劇場で演奏するとはけしからん!」とバッシングを受けておりました。その一方で、このロンドンの演奏会を見に来たジョージ2世が「ハレルヤ・コーラス」の部分で感動のあまり立ち上がって敬意を表しました。それ以来この場面になると、聴衆が起立し鑑賞するのが習慣となっております。

「メサイア」は全53曲、演奏時間にしてトータル2時間30分ほどかかる大作ですが、ヘンデルはわずか3週間で書き上げました。ヘンデルは当時56歳でしたが、自作のオペラの失敗で失意のどん底にいました。なのでこの作品に取りかかった時には、すべてのことを忘れ作曲に没頭しました。  そもそもヘンデルの母親は牧師の娘だったため、幼少時から聖書を読み祈るという環境で育ったクリスチャンでした。そのためか、作曲しながら感動のあまり、泣きながら譜面を書いたというエピソ ードもあります。

♪1:第12曲 「For unto us a Child is born...」
   (一人のみどりごが我々のために生まれた)


♪2:第24曲 「Surely He hath borne our griefs...」
   (彼が担ったのはわたしたちの傷)


♪3:第44曲 「Hallelujah...」
   (ハレルヤ)


♪4:第53曲 「Amen...」
   (アーメン)

作曲: G.ヘンデル
指揮 :  佐渡 裕
合唱 :  晋友会合唱団
オルガン/チェンバロ :  青島広志
演奏 :  オーケストラ・アンサンブル金沢

放送内容

 
Untitled Concert