♪01:ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら |
作曲: R.シュトラウス |
指揮 佐渡 裕
演奏 東京交響楽団 |
ティル・オイレンシュピーゲルとは14世紀に実在したとも架空の人物とも言われるトリックスター(民話に出てくるいたずら者や道化師)で、今なおドイツ人に愛される存在です。彼の繰り広げたエピソードは100話近く語り継がれており、そこからイメージを膨らませたシュトラウスが新たに自作の交響詩用の物語を仕立てたのが、この「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」です。
交響詩とはいわば歌詞のないオペラで、音楽そのものがストーリーを表現しています。内容は下記の通り。
「昔々あるところに、ティル・オイレンシュピーゲルという、いたずら者がおりました。
あるとき市場を馬で走り回り、大騒ぎになったところで全速力で逃走。
その後、僧に変装し、みんなに道徳について説教します。しかし生来のいたずら者はこの変装に耐え切れなくなります。
次に騎士となったティルは美しい娘に出会い恋をします。しかしその彼女から相手にされないばかりか肘鉄砲を食らって失恋。絶望のあまり、人類への復讐を誓います。
まず復讐は俗物学者に向け、大論争を始めます。しかし面倒になり、退散。朗らかに流行歌を口ずさみ始めます。
しかしついに悪行のため捕らえられ、裁判にかけられます。あざ笑うように口笛を吹きつつも死の恐怖に襲われながら死刑台にのぼり、とうとう生命を絶たれます。
このようにいたずら者の生涯は終わったが、いつまでも人々の心に生き残っています。」
ドイツ後期ロマン派最後の大家。創作活動の前半は交響詩、後半はオペラや歌曲に傑作を生む。
代表作は交響詩「ドン・ファン」、「ツァラトゥストラはかく語りき」、オペラ「バラの騎士」、などがある。

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