「シャチの繁殖っていうのは、夢だったんですね。」
アシカやイルカなど“海獣”と呼ばれる動物専門の獣医として、
国内初となるシャチの出産を成功させた彼女。
しかしその裏には、ある悲劇が・・・
1995年、シャチのマギーが妊娠し、無事出産するものの、
そのわずか30分後…
「赤ちゃんが、呼吸できなくなって、プール底に沈んで死んでしまいました。」
我が子をサポートし、水面で呼吸させる事を知らない母。
赤ちゃんは母のお乳を飲むことなく、この世を去りました。
悲痛な気持ちの中で、彼女が決意した事。それは・・・
この経験を次に生かそう。
「次に生かしてこそ、ダメだった動物が生きるわけなので。」
次の赤ちゃんは絶対助けたい!
彼女はアメリカを訪れ、成功例を学び、日々研究を重ねます。
そして2年後、ステラというシャチが妊娠。
「夜中も見に行って、一日中ステラのおなかを見ていたり・・・ 。」
迎えた、運命の日。
無事出産。しかし問題はこの後。
母親が助けてあげなければ、同じ悲劇が繰り返されてしまう。
生まれたばかりの我が子に関心を示すよう、必死に促します。そして・・・
「おっぱい飲んでる〜!!やったぁっ!!!・・・て、すっごい喜びました。」
「間違ったかなと思ったら、すぐ修正していく。
次に生かしていくって事だと思います。」