「自分自身に負けるのが恐いですよね。」

ボクシングを始めて僅か２年。
生まれ持っての素質で鮮烈なプロデビューを果たした彼女。
その２年後には、世界王者シャロン選手に挑戦。
後半スタミナが切れ、次々に打ち込まれたものの、辛くも判定で
日本人女性初の世界フェザー級王者に。ところが･･･

「心技体においてかなわなかったし。
アウェーだったら完全に負けていた試合だった･･･」
勝ちはしたものの納得のいかない試合。
王座に輝いたにも関わらずまとわりつく屈辱感。そんな思いの中、彼女は･･･

「もう一度、シャロンと戦って本物のベルトに変えてやるって。」

チャンピオンになって、はじめて自分と向き合う。
それまで類稀なセンスだけで戦ってきた彼女は、一から体作りを開始。さらには。
「男性のプロボクサーとのスパーを増やしてボコボコにされたし。
強くなるか、その前にぶっ壊されて終わるかっていう･･･」

どんな危険を冒してでも強くなりたい。過酷なトレーニングを続けること１年。
同じ相手との再戦。
申し分ないパワーとスタミナを武器に、臆することなく前へ出た彼女は、
ついに本物のベルトを手にしたのです！
そしてその後、見事日本人女性初の３階級制覇をも成し遂げました。

「試合に勝つためには、まず自分自身に勝たないと勝てない。
自分との戦いですよね」