「もう、しんどいことは分かっているんですね。99%しんどい。それが冒険。」
学生時代から登山を始めた彼は、より過酷な戦いを追い求め、自力でペダルをこぎ続ける
自転車での冒険に挑みます。そしてシベリアの地24000kmを3年もの月日をかけ走破。日本人初となる単独横断に成功したのです。
しかし、そこには数多くの困難が・・・
「氷が割れて海の中にドボーンと落っこっちゃったこともあるんですよ。
這い上がったとたんジャケットとかバリバリって凍り始めましたけどね。」
全てが凍りつくマイナス50度の世界。行く手を阻む巨大な氷。雪深い場所では
重い自転車を押し、何日も続くブリザードをテントの中で1人凌いだことも。
命さえ奪いかねない自然の猛威の中で、彼が考えていたこと。
「99%しんどい。その向こうに1%の何かを見たいものですから。」
苦しみを乗り越えた者にだけ与えられる“1%の光景”。
それは神々しい自然の姿であり、温かな地元民とのふれあいでした。
自転車での地道な冒険でしか味えない世界。そして・・・
ついにシベリアを横断した彼は勇気ある冒険家として植村直己冒険賞を受賞したのです。
「自分の限界というのを垣間見たい。
自分が過去にやったことに留まっていたんじゃあ面白くない。」