「昆虫の小さい目で見た世界がどんな感じなんだろう?
写真で表現できたら、いいなと・・・。」
撮影が非常に難しい、昆虫の迫力ある姿、躍動する決定的瞬間を写し出し、
科学写真のノーベル賞と言われる“レナート・ニルソン賞”を受賞。
しかしその成功までには長い道のりが・・・。
子供の頃から、自然の中で昆虫と過ごすのが
大好きだった彼は、21歳の時、昆虫撮影を始めます。しかし、
「当時のカメラは昆虫なんて撮れるようなカメラじゃなかったんですね。
50pくらい近づくとボケてしまうんですよ。
周りは、そんなの撮れるはずないじゃないかと・・」
思い描く写真があるのに、それを撮るカメラがない。
厳しい現実が目の前に立ちふさがります。しかし彼は・・・
「そういうカメラやレンズが無いならば、“自分で作ってやろう”
という気持ちになって、色んなレンズを組み合わせたりして・・・。」
“どうすればピントを合わせられるのか?”ゼロからの挑戦が始まりました。
「分解したカメラは数えきれないですね、50台以上ありますよ。
それからレンズは100個以上。望遠鏡のレンズだとか顕微鏡のレンズ、
医者が使う内視鏡とか、そういうレンズを色々工夫して・・・。」
そして30年もの歳月を重ね、ついに虫の目線で撮影できる
理想のレンズ(虫の目レンズ)が完成。
世界中の誰も表現する事ができなかった、迫力ある昆虫の姿を写す事に成功したのです。
「挑戦して、不可能を可能にしていく。そして自分の夢を実現させていく。」