究極の美を求め、世界を制した男 体操 冨田洋之。
「写真に撮っても、絵になるような演技っていうのが一番の理想でしたね。」
アテネオリンピックで、日本の男子体操団体に28年ぶりの金メダルをもたらした立役者。そんな彼が体操を始めたのは8歳の時。高校時代にインターハイを2連覇するなど
その才能を開花させ、25歳の時、美しい演技が評価され、世界選手権個人総合で優勝。日本人として31年ぶりの世界一に輝きます。
ところが、2006年にルール改定が・・・
「多少姿勢の乱れがあったとしても高い難度の技をやれば、
それが直接点数につながっていく…」
新ルールに戸惑いながら臨んだ翌年の世界選手権、12位という結果に。
世界の頂点から陥落した彼は、ある決意をします。
「子供の頃、憧れを持っていた美しい体操をとことん貫いてやろうという風に。」
彼は簡単に高得点が取れる大技よりも、完璧な美しい演技に挑んだのです。
「細かい動きと反復練習を、繰り返し練習しました。」
全ての練習をビデオで撮影し、完璧に出来るまで何百回と繰り返し、
彼の体は鍛え上げられていきました。
そして迎えた北京オリンピック…逆境をはねのけ、見事メダルを獲得したのです。
「僕の好きな言葉は初志貫徹です。」