「自分の担当する選手が、金メダリストや日本記録保持者なので、僕の泳ぎは披露するもんじゃないなと・・・なるべく泳がないようにしています。」
あの北島康介選手を、アテネ・北京オリンピックと2大会連続で、金メダルへと導いた、世界が認める実力派コーチ。
6歳から水泳を始めた彼は、オリンピックという夢に向かい、日々努力を重ねていきます。
ところが大学2年生の時、水泳部の監督から思いも寄らない提案が・・・
「新入部員が入ってくるということで、後輩の指導をしてくれと・・・すごくショックでこのまま水泳をやめてしまおうかなと。」
突然の宣告。しかしそんな彼が決意したこと・・・
「指導していた後輩が、オリンピック選手になったんですね。すごく感激しまして、選手とマネージャーで違うけれども、同じ水泳じゃないかと!」
指導者で世界一に!
彼は選手を育成すべく、水泳に関する書物を読みあさり、研究に明け暮れます。
そんな中、運命の出会いが・・・
「大会になった時に、侍みたいな凄い鋭い目つきになりまして、
この選手だったらコーチを賭けられると。」
共に頂点を目指せる選手との出会い。彼は科学的分析をはじめ、これまでの常識を覆す指導を実践していきます。そして2004年、2008年北島選手が見事2大会連続金メダルを獲得。
育て上げた選手の勝利の瞬間・・・それは、彼自身の栄光でもあったのです。
「選手のために自分が力となって、それが喜びを感じるような、すばらしい仕事に、僕はついていると思っています。」