「子どもの頃、太陽は誰のものか?ということを、よく親戚の人に聞いたりしたそうですね。
まあ変わり者でしたね。」
通常プラネタリウムは、星の数が1万個から3万個程と言われる中、前人未到の500万個もの星空を創り、ギネス世界記録にも認定された星空のクリエイター。
その偉業は、尽きることのない探究心が生み出したものでした。
人一倍、星に好奇心を抱いた大平少年。独学で始めたプラネタリウム作りで、
高校時代、6300個の星空をたった一人、全て手作業で完成させ、周囲を驚かせます。
ところが・・・
「やめなきゃいけないんだろうなとは、思っていましたね。
それ自体が生活の糧にはならない。父親からも会社入ったら好きなことできないんだぞと。」
そして一流企業に就職した彼。しかし、そこで抑えきれないある思いが・・・
「オーストラリアで、素晴らしい天の川を見たんですよ。
それをいつか作りたいという気持ちがありました!」
本物の宇宙を再現したい…昼間は仕事、夜はプラネタリウム作りと二足のわらじをはく中、彼は5センチのプレートに1万個以上の細かい穴を開ける技術を開発します。
そして、98年ロンドンの世界大会に出場した彼は、他を圧倒する170万個もの星空を映す作品を発表。
これまで誰も描けなかった、宇宙の奥行きを再現したその作品は高く評価され、その名を世界にとどろかせたのです。
「一歩進んでみると、二歩目三歩目が確実に近づいてきますから、
まず踏み出してみる、それが一番大事じゃないかと思いますね!」