これまで行った手術の数、5千件以上。
日本初のバチスタ手術を成功させた‘神の手’を持つ世界的な名医。
しかし、そんな彼にも苦難の道のりがあったのです。
96年、彼の元にある患者が訪れます。拡張型心筋症。
当時の日本では、海外で心臓移植を受けるしか助かる方法が無い難病です。
悩んだ末に、彼は世界でもほとんど行われた事がないという、
バチスタ手術に踏み切ります。
しかし・・・手術自体は成功したものの、
術後一週間程して患者さんは肺炎で亡くなってしまったのです。
落ち込む彼に、世間では時期尚早との非難の声も・・・
そんな時、彼の心を前へ向かわせてくれたのが、亡くなった患者さんの奥様からの手紙・・・「これからもバチスタ手術を続けて欲しい」との言葉でした。
再び立ち上がった彼は、メスを握り2度目のバチスタ手術に挑みます。
そして、余命数ヶ月と言われた女性の命を救ったのです。
「とにかく出会った患者さんに、あなたと会えてよかった、助けてくれてありがとう。
と言ってもらいたいから。」