わずか25歳で、これまで誰もなし得なかった、将棋界・七大タイトルを
完全制覇した羽生善治。しかしその栄光の影には、1つの敗戦が・・・。
中学3年でプロデビューを果たした羽生少年は、次々と最年少記録を打ちたてていきます。そして94年、この日勝てば七冠達成。誰もが前人未到の大記録を信じていました。
しかし、まさかの敗退・・・。
「緊張しました。いつも通り平常心ではなかったと思います。」
ここ一番の勝負所で、なぜ平常心を失ってしまったのか?考え抜いた末、
彼は初心に戻ります。それは“とにかく続けること”。
「一日で急に強くなるということもないし、急に弱くなることもない。」
勝負は時の運。しかし日々の努力の積み重ねがあって始めて、
緊張した局面で、迷いなく、平常心で打つことが出来るのだと。
そして1年後、努力をコツコツと続けた羽生は、再び挑戦し見事勝利。
史上初の七冠完全制覇という快挙を成し遂げたのです。