【ch2】フランスラグビーリーグTOP14 第15節ラシン92×トゥールーズ みどころを詳しく解説!

第15節 ラシン92 vs トゥールーズ

2月16日(日)24:42~(24:50KO)

<概要・見どころ>

1月28日(火)、日本代表の松島幸太朗(サントリー)が来季クレルモン・オーヴェルニュに移籍することが発表され、一段と注目を集め始めているフランスのプロリーグ「TOP14」。ラグビーワールドカップで3度の準優勝という結果を残しているフランス代表の選手たちを常に輩出し続けている伝統あるリーグであり、また強豪国の名選手が集結する誉れ高い世界最高峰リーグでもある。
14のプロクラブによるホーム&アウェイの総当たり戦(全26節)は第14節から後半戦に突入。第13節まで首位に立っていたボルドー・ベグルを破り2位に陥落させたのが、その勝利によって7位から6位に順位を上げた名門トゥールーズ(勝ち点34)だ。リーグ戦終了後に優勝を争うプレーオフは上位6チームによって行われるため、昨季王者のトゥールーズがついにその圏内に入った形となる。
2月16日(日)の第15節、そのトゥールーズの相手は現在4位に付けているフランス最古のチーム、ラシン92(勝ち点37)だ。パリ近郊をホームとする伝統ある名門は、昨季もリーグ戦4位(プレーオフ準々決勝敗退)とプレーオフ圏内に付けており好調を維持している。ただ、ここで敗れれば順位を落としトゥールーズに入れ替わってしまう可能性もあるだけに、ホームのナンテールの最新鋭スタジアム、パリ・ラ・デファンス・アレナで多くの地元ファンを前に負けられない一戦となる。
今季屈指の好カードは、現在シックス・ネーションズを戦っている現フランス代表選手を除き各国代表のプレーヤーが多数出場する見通し。国内のみならず海外からも注目される、1秒たりとも見逃せないワールドクラスの熱戦となることは必至だ。

 

【ホーム】ラシン92

フィン・ラッセル(中央) 写真:AFP/アフロ

・クラブ創設/1882年
・本拠地/パリ・ラ・デファンス・アレナ(ナンテール)※パリ近郊の街
・主な記録/TOP14優勝6回
 ヨーロピアンズラグビーチャンピオンズカップ準優勝2回(最多)
・第14節現在の順位/4位(7勝1分け6敗・勝ち点37)
古くからパリとその近郊を本拠地として、スタッド・フランセとともに北フランスのラグビーを支えてきた強豪、ラシン92。2015-16シーズン以来優勝からは遠ざかっているものの、プレーオフ進出の常連であり、常にフランス代表級の選手、また他国の代表選手が数多く在籍していることでも知られる。現在神戸製鋼でプレーしている元ニュージーランド代表のレジェンド、SOダン・カーターも在籍し、前回優勝に貢献している。
現在、その10番(SO)を背負っているのは、昨年のラグビーワールドカップで活躍し(日本代表戦でもトライ)、開催中のシックス・ネーションズにも出場が有力視されていたスコットランド代表SOフィン・ラッセルだ。代表でチーム内の規律違反を犯しスコッドから漏れたため、今回は所属クラブであるラシン92に留まった。しかし気落ちすることなく、前節も先発出場。80分間フル出場し、カストル・オランピックからの完封勝利(27-0)に大きく貢献しているゲームメーカーだ。
ラッセルとコンビを組むのは、昨年ワールドカップに出場したフランス代表SHマクシム・マシュノー。現在は代表を外れたがアタックにテンポを与える手腕は健在で、前節7得点を挙げるなどプレースキッカーとしても有能だ。
その他、世界屈指の巨漢選手であるトンガ代表のPRベン・タメイフナ、強靭なフィジカルが光るフランス代表FLウェンセスラス・ローレ、アルゼンチン代表として長年活躍したWTBフアン・イモフ、前節2トライを決めたフランス代表FBブライス・デュランなど、FW、BKともに充実した戦力を誇っている。負けられない地元でベストメンバーを組んで臨むはずだ。
なお、パリ・ラ・デファンス・アレナで行われた最初のラグビーの試合は、日本時間2017年11月26日のフランス対日本戦で、23-23と日本代表初のドローに。世界の強豪に肩を並べた一戦となった。また、スタジアム自体のこけら落としはザ・ローリング・ストーンズのコンサートだった。

 

【アウェイ】トゥールーズ

マクシム・メダール(左) 写真:AFP/アフロ
・クラブ創設/1907年
・本拠地/スタッド・エルネスト=ワロン(トゥールーズ)
・主な記録/TOP14優勝20回(最多)
 ヨーロピアンズラグビーチャンピオンズカップ優勝4回(最多)
前節、それまで首位だったボルドー・ベグルを22-14で破り、順位を7位から6位へと上げた昨季王者のトゥールーズ。今季も連覇し最多優勝回数を目指す名門だが、フランス代表に選手を数多く輩出していることが影響し、なかなか勝ち星を積み上げられないシーズンが続いていた。特にSHアントワーヌ・デュポン、SOロマン・ヌタマックの若きハーフ団の代表招集はチームの順位にもろに影響を与えていると言えるだろう。
ただ、前節活躍したSHセバスチャン・ベジー、SO/FBトマ・ラモスらが十分その穴を埋め、今季の優勝候補ボルドー・ベグルを撃破したことはチームにとって大きな自信となったはずだ。
この試合も含め、出色の活躍を見せているのが、昨年のワールドカップ優勝メンバーのひとりであり同大会でも大いに活躍した南アフリカ代表WTBチェスリン・コルビだ。小柄だが、一瞬のスピードで相手のディフェンスラインを破りトライまで決め切る力を持ち、上背のなさをスキルとバネでカバーするハイボール処理、要所でのタックルなど、全てにおいて能力の高い選手といえよう。同じくWTBのヨアン・ユジェ、FBマクシム・メダールのフランス代表コンビを含めたバックスリーは、相手にとって脅威となる。
FWでは、ニュージーランド代表としても長年活躍してきたFL/NO8ジェローム・カイノ、同じく元ニュージーランド代表の怪力PRチャーリー・ファウムイナ、そしてサモア代表だったベテランLOジョー・(イオセファ・)テコリといった屈強なプレーヤーが揃っており、セットプレーの安定度やフィジカルでの圧力はリーグ屈指といえる。
依然として3月中旬まではチームの主力である現フランス代表選手の離脱が続くが、選手層が厚いチームだけに現状の戦力でも十分戦える。ようやくプレーオフ圏内に付けただけに、手強いボルドー・ベグルを撃破した前節の感触のまま敵地に乗り込み、連勝を狙う。

 

 


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