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2月ももう終わり。
少しずつ、ゆっくりと、春の訪れを感じるような暖かい日が増えてきました。
そして
毎年恒例、系列新人アナウンサー研修がテレビ朝日で行われました。
先週の末までの2週間、
系列局の新人が気候のゆっくりとした変化とは裏腹に、
刺激的な激動の日々をテレビ朝日で過ごしました。
今までアナウンス部ニュースでは、
研修生、講師の視点でこの研修を紹介してきました。
今回はその二者の架け橋となる、「研修ノート」について紹介します。
「研修ノート」・・・
テレビ朝日のアナウンサー研修の必需品です。
研修生が、その日行われた研修の内容をまとめ、
自分がどう感じ、何を悩み、どう今後に繋げていくかを記し、翌朝提出します。
そしてその思いのこもった「ノート」を講師が見てコメントを書き、研修生に返却するのです。
研修生はそのコメントを見ながら
力をもらったり、反省したり、新たな課題を見つけたりして、試行錯誤を繰り返します。
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昨年度までテレビ朝日が開校しているアナウンススクール“アスク”の校長をしていた
松井アナウンサーにこの「研修ノート」とはなにかを聞いてみました。
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松井康真
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今の研修は、テレビ朝日の様々なアナウンサーが、立ち代わり講師になるので、
ひとりのアナウンサーが講師になれる時間は限られていて、
その中で研修生たちに様々な思いを一生懸命伝えようとします。
だからノートに、その熱い研修の内容を記し、
そして自分がどう感じたかをしっかりとまとめることで、
研修が終わった時に宝物になるのです
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松井アナウンサーが新人の時は、研修担当は1人だったので、「ノート」の内容も量も今とは全く異なっていたそうです。様々なアナウンサーの講義を受けられる今の研修体系だからこそ、いつ見ても研修時の様子がしっかり思い浮かぶように記録することが大事になってくるんですね。
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研修生に質問をされる松井アナウンサー
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さらに、今回、研修幹事で最も若手の佐々木亮太アナウンサーは、こう話します。
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佐々木亮太
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「幹事の中で一番研修の記憶が新しいのが僕なので、
研修時代ならではの苦しみを一緒に考えたいと研修に臨みました。
特に、研修時にはその研修内容が
どう実際の放送で生きてくるのかがわからない部分が出てくるので、
しっかり本番をイメージできるように、
そしてそれをノートに記録しておいてもらいたい、と考え指導にあたっていました。
あとは、ダラダラ書きすぎず、要点を押さえてノートを書いてもらおうとしました。
編集する力は、必ず現場で必要になります。
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真剣に研修ノートを読む佐々木アナウンサー
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“ノートをまとめる力、誰にでも分かりやすく文章を構成する力”は、
実際にアナウンサーとして働く上でとても大切だと、
松井アナも佐々木アナも声を揃えて言っていました。
研修では辛いことやうまくいかないことばかりですが、
その中で、苦悩の経験を客観的に見てしっかりと記すことが求められています。
この新人研修の時期を
「乾いたスポンジのようになんでも吸収できる時期」であると言う
研修幹事の下平アナウンサーは、次のように話してくれました。
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下平さやか
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自分が研修生のとき、
提出したノートに書いてもらった講師のコメントは今も鮮烈に覚えています。
講師の影響力はすごく大きいと感じていました。
だからこそ私は真剣にノートにコメントを書きたい。
書き言葉は、ときに口で言うより強く伝わることがあるから。
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去年、私たち同期3人が入社後に受けた新人研修でも幹事だった下平アナ。
ノートに残すコメントは、
常に心にストレートに刺さり、
返ってきたノートのコメントを見た瞬間、落胆することも悔しさを噛み締めることも多々ありました。
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下平さやか
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いつか、新人の時にノートに書かれたことで、いきなりハッとすることが出てくる。
だから厳しいことを書いて短期的に恨まれてもいい。
それが研修幹事として、講師としての仕事だと思うから。
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当時は、厳しいな・・・と思ったところもありましたが、
今になって聞くと、本当に愛のある研修幹事に指導してもらえて、幸せだったと強く感じます。
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菅原・森・寺川の最後の研修を見つめる下平アナウンサー
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そして今回、研修を受けた来年度の新人たちを見ていても、
帰り際、返却されるとすぐに、コメントが気になってノートを開く姿が多く見られました。
真剣に研修に取り組んでいた証だと思います。
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私の宝物
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この原稿を書き終わったら、もう一度自分の書いた研修ノートを開いてみます。
今だからこそ理解できることが書いてあるかもしれません。
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新人たちはテレビ朝日系列それぞれのフィールドで頑張ってくれるはずです!
みなさんもぜひ温かい目で注目してやってください!
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