Vol.41「ユミメモ9」ついにあの男が!
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26 AM19:10 Reported By 徳永有美

今まで強気なところしか見せなかった北島康介。
私から見ても、彼は才能・努力・勢いすべてが今一番輝いている選手だと思っていました。

しかし、100M平泳ぎ決勝でシドニー五輪と同じ4位という結果。
あんなにメダルにこだわっていた男が、またもや一歩手前でメダルを落としてしまった・・・。
きっと彼は苦しんだと思います。
「とにかくメダル」
可能性がこの一瞬のレースに集中します。

試合会場に入ってきた彼は、誰よりも早くジャージを脱ぎ、自らのコースの水を触り、感触を確かめていました。きびきびとした動き。

日本選手団からの「こーすけー」コールは、彼の耳に届いたのでしょうか。いよいよスタートです。

先頭グループのまま迎えた150Mのターン。
しかし、その時電光掲示板に表示された北島選手の順位は・・・なんと「6位」。
その瞬間「ああ・・・・・。もうだめか・・・」
と同時に私は目の前の手すりをたたきながら「がんばれ」と叫んでいました。

それ以降は涙ぐみながら、ひたすら「がんばれ」と言い続けました。
そして、何と残り25メートルのところで北島選手がスーっと伸びてきたのです。
「いけーーーーっ!!!」もう、気持ちは、完全に北島くんのお母さんになっていました。

タッチの瞬間は一体、何位なのかはわかりませんでした。
北島選手も目を凝らして電光掲示板を見ます。
「北島選手3位ーーー!!!」
あぁ・・・本当によかった。おかあさんはホッとしたよ・・・。

レース後のインタビューでは、彼は喜びと若さではじけていました。
「めっちゃ、うれしぃー!!」
「3位でもむちゃくちゃうれしい。
メダル、メダルと言ってきて、口だけの男にはなりたくなかった。ほんとにうれしい。」
150のターンの時点で6位だったのはまったく気づかなかったそうです。
むしろ、そんなことより、彼にとっては残り25mが大切だった。
100Mのレースでは、最後の25Mで力尽きてしまった。だからこそ、
「最後の25Mをちゃんと泳ぎきった人間が勝負に勝つ。」
彼は前夜そう思ったそうです。
そして、それを見事に実行。彼は150Mの時点で飛び出すことに我慢して、
ラストスパートにかけ、成功したのです。

ほんとに、おめでとう。
北島君はアテネに向けて楽しみな楽しみな選手です。
あの天性の明るさと根性でどんなに高いハードルも飛び越えてもらいたいと思います。
 

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