綺麗にガーデニングされた花々に囲まれた、テレビ朝日ビル近くのとある広場。やや太陽が斜めに傾き出したころ、散歩でもしたくなるような陽気の中で、インタビューは行われた。

<お相撲入門>

藤井暁
吉元が、今まで相撲に対してどんなイメ−ジを持っていたのかを、まず聞かせて?

吉元潤子
実は、ほとんどテレビを見たことがなかったんです。私の母は、場所中いつも夕食の準備を早めに終わらせて、テレビの前に座ってたんですけど、「何が面白いのかな?」っていうのが私の正直な気持ちで、母が見てるのを一緒に見ることもなかったくらい、相撲には全く興味はなかったんです。

藤井暁
まったく?

吉元潤子
まったく。(笑)

藤井暁
それが番組で相撲を担当することになって、今は?

吉元潤子
もうメチャクチャはまってますね。場所中は他の仕事がある日以外は、できるだけ生で見るようにして、帰ってからは「大相撲ダイジェスト」とかもチェックして、できるだけ15日間通して見られるようにしています。

藤井暁
初めて見た時の印象はどうでした?

吉元潤子
実際に国技館に初めて行ったのは、丁度「OH!相撲」という番組を始めた五月場所だったんですけど…

藤井暁
ちょうど一年前。

吉元潤子
そうですね。その時に初めて生で見て、その迫力と言うか、一番一番の真剣さを目の当たりに実感したっていうのと、あとは国技館のあの厳粛な雰囲気の中で、大人だからこそ楽しめるというか…、なんて言ったらいいんでしょうか、何とも言えない独特の雰囲気が、たまらなく好きになりましたね。

藤井暁
あの−、今ホ−ムペ−ジを見て下さってるみなさん、お相撲見に行くのは、別に大人じゃなくてもいいんですよ。(笑)

吉元潤子
もちろんお子さんでも楽しめます。(笑)

藤井暁
生で見る力士達の取組そのものも、すごい迫力だったと思うけど…

吉元潤子
ええ、かつその取組までの仕切りの間にも、両力士の緊張感とか、自分で高めていく高揚感とか、それがビシビシ伝わってきたんですよ。それはやっぱり生で見て初めてわかったんです。気づくの遅かったんですけど。

藤井暁
仕切ってる間にだんだん闘争心が、自分の中で「ガ−ッ」と湧き起こってきて、で、にらみ合って、また塩に入る。一段落ついて、またにらみ合って、向かい合う、という繰り返しの中で、顔は紅潮してくるわ、昂ぶってくるわ、そういうのが面白いよね。

吉元潤子
野球とかサッカ−とかっていう、すごく長い時間をかけて戦うものとは全然違って、ほんの一瞬の戦いなので、それにかける勢いっていうのは、他のスポ−ツにはないぐらいの集中力なんじゃないかなって感じます。あと、歴史のあるものだから、それを守っているところにも良さがあるんでしょうね。たとえば、国技館の土俵の上にある、あの…

藤井暁
屋形のこと。

吉元潤子
そうです、あの屋形にしても、あれにぶら下がってる房にしても…

藤井暁
あの房が季節をあらわしてるの知ってた?

吉元潤子
いえ… (笑)

藤井暁
青房(ぶさ)、赤房、白房、黒房って春、夏、秋、冬を意味してるの。

吉元潤子
そういうひとつずつ全てに意味があったりするんですよね。そういうのがひとつずつ解っていくと、また違う楽しさが感じられるし。

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