取材・文:中村裕一 今回のインタビューは前編・後編のお得な2本仕立てです。 インタビューのゲストは国吉伸洋アナと中山貴雄アナ、実況研修を終えたばかりの萩野志保子アナを迎え、「プロ野球討論」マンスリーインタビューを行いました。
今は自分が他局のアナウンサーと違うところ、オリジナリティーを探している途中だから何とも言えないけど、僕自身、野球をやっていたから、打球の感覚やピッチャーの配球心理とかがある程度は分かるわけで、それをうまく前面に出してゆければとは思っている。 私、バッティングセンターが大好きで、打てもしないのに一番速い球に挑戦したりするんですけど(笑)、やっぱりものスゴイ怖いんですよ。父親からは「デッドボールはもっと痛いんだぞ」なんて言われたりもしてましたし。 自分で経験しないと分からないし、聞いてる人にも伝わらないしね。 選手は女子アナには優しいけど、たぶん対等には見てないと思うんだよね。またそれを取り囲むマスコミを含めたガチガチの男社会の中に萩野が入って何か言っても、決してホメてはくれないだろうし、むしろけなされると思う。そういう雑音には耳をふさぎつつ、萩野なりの存在感を作ってゆくしかないんじゃないかなぁ。 選手や監督と食事に行ったりって、どれくらいの人数で行くものなんですか? だいたい4~5人くらいかなぁ。みんなそういう時はざっくばらんな普通の人だよ。 でも、その場でポロッと出た話をしゃべっていいのかどうかはちゃんと判断しなければいけないよね。 ただ、そういうのを自分には吐露してくれる関係になっているから食事に行くという部分もありますよね。 やっぱり人間だからさ、吐き出したいものがあると思う。僕たちにもいろいろストレスがあるように。 そう考えると本当に信頼関係って大切ですね。 ある程度言葉でこうしたいああしたいと思っている気持ちを持ちつつも、やはり行動に移して作ってゆくしかないんだろうね。 でもこの現場の場合、逆にジャーナリズムというものを前面に出すと嫌がられると思う。それこそ自然に、普通の友だち感覚で飛び込んだ方がうまくいくんじゃないかな。 私も苦手ですよ。人見知りですし。 いや、萩野の方がそういうのはうまいと思うな。 選手の気持ちをとらえることと、良い実況をすることとはまた別だと思うけどね。
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