<事件リポーターはダイハード・スケジュール>

寺崎貴司

事件を追っているといろいろ大変な状況に遭遇するのですが、松山ホステス殺害事件、福田和子の取材の時もそうでした。
あの時は夕方6時くらいに逮捕の知らせが届いて、その時僕はお葬式に出ていたのですが、急遽これから松山に行けという指令が来たんですよ。
それから最終9時18分の「のぞみ」に乗るために自宅に戻り着替えを取って、タクシーを走らせて新幹線に乗り込んだのがなんと15秒前。
その後も「新大阪で降りて夜行列車に乗れ」さらに、「そのまま松山まで降りると『スーパーモーニング』の本番に間に合わないから、岡山で降りろと随時指示を受けて、ようやく松山についたのが放送の45分前。

岡田洋子

ギリギリだったんですね。それでどうしたのですか。

寺崎貴司

その頃既に福井から、大移送劇が始まっていたんですが、陸路なのか空路なのかまだわからない状態。実は僕、逮捕の半年前に松山東署にいる福田和子専従班のメンバーの方に取材をしていたんです。
そこでその方と目があったときに、「陸路なんですか、空路なんですか」と聞いたら、「う・・・・・・ん、リクロ・・。クルマ。」とだけ言って去って行ったんです。
すぐその後会社に電話をして移動。なんとか中継でもその事を伝えられたわけで、そう言う意味では取材の成果を発揮できたかなと思っています。
布石って奴ですか。ちょっとカッコいい話かな。(笑)

岡田洋子

私なんかそんな経験はまだまだないですね。でも、幻のスクープというのだったら有るんです。
「東京銀行と三菱銀行が合併か」という記事が日経の夕刊に出て、双方否定をしていたんですが、たまたま一人の女性行員に聞いたところ、『今日、会社で話がありました』 と答えてくれたんですよ。他の人にいくら聞いても、『そんな事聞いていません』の一点張り。
その場にいた通信社の記者に「スクープだよ」と言われたんですが、その後すぐ両者が会見をしてしまってスクープでもなんでもなくなってしまったんです。(笑)


 
逃したスクープを楽しそうに語る岡田アナ。
何気なく後ろに写っているのは高井正憲アナです。

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