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3月29日 夜のミュージアムでは・・・!?


「ナイトミュージアム」を観てきました。

…動いちゃうのだ。
博物館の中のあーんなものや、こーんなものが動いちゃうのだ。

あなたは聴いたことがあるだろうか?
NHK「みんなのうた」の『メトロポリタンミュージアム』。

童謡が大好きだった私の記憶の中で、あれ程鮮明に印象に残っている曲は他にない。この曲は覚えやすいメロディでもなく、騒がしい歌でもない。

真夜中の博物館で、大理石の像やミイラと一緒に踊る小さな女の子が楽しげにステップを踏む。それを大貫妙子さんが甘い声で歌い上げるのである。
童謡にはあまりない、神秘的でどこか恐ろしい雰囲気さえ漂わせている歌なのである。(おまけに少女は歌の最後で「大好きな絵の中に閉じ込められ」る。)

それでも当時、私はこの曲を聴いてワクワクしていた。小さな頃は気がつかなかったけれど、不思議な雰囲気を全体に漂わせているメロディ。私と同世代の人はこの歌を覚えている人は少なくない。強烈なインパクトで幼い子供たちの心をとらえていた。

そして今回ご紹介する映画にも共通する「もしもこれが動き出したら…」という興味。きっと誰もが思ったことがあるだろう。

週に2回だけ会える、愛する息子のために必死に定職につこうとする主人公ラリー。そんなラリーがやっとのことで見つけた仕事は博物館の夜警だった。

夜警の先輩に初日に言われたひとこと。
「この博物館に誰ひとり入れてはいけないし、出してもいけない。」
ラリーはこのときその真相を知る由もなかった。

手に負えない夜の博物館。

ティラノサウルスが甘える。
ルーズベルト元大統領は恋をする。
モアイはガムをねだる。
原始人たちは火を求めて大騒ぎ。
ミニチュアの人形たちは戦争を始める。
ノドジロオマキザルは鍵を盗む。

すぐに辞めようとするラリーの気持ちを思いとどまらせたのは、息子の存在。愛する息子と胸を張って会うため―。彼は、一度は飛び出した博物館に引き返した。

夜警を続けると決めたラリーは手に負えない連中たちのことを調べ始めるのだった。アメリカの歴史、世界の歴史を紐解く中でラリーは連中たちとの付き合い方を考え出していく。たとえば好物、たとえば弱点、たとえば生い立ち…。

ここからが楽しい!まさに抱腹絶倒!!
ラリーと連中のやりとりがおかしくってたまらない。
まるで子供のけんかを見ているかのようだ。

そうかと思っていると、心臓が飛び出すほどビックリする。
特にノドジロオマキザルのデクスターとラリーの対決は見ものだ。
これにはうちに帰ってきた今でも笑わせられる。

さて、段々とコツをつかみ出したラリー。
そんな時、夜の博物館史上最大の事件が起こるのだった。

敵を定めた博物館の連中は一致団結!
ラリーの指示のもと、敵を倒すため、絶対に負けられない戦いが始まるのだった。
世界の歴史を振り返ってみても、やはり、敵をひとつに定めたときの団結力というのはスゴイ。
この自然博物館は、歴史をその場で体現しているのだ。

受付の上を回る大きな地球のオブジェがそれを象徴しているかのようだ。
“それでも地球は回っている”のである。

博物館の連中は夜明けと共に、元居た場所に戻らなければならない。
お日様の光を浴びたり、外に出ていたりしたら、ただの灰になってしまうからだ。

いつの間にか見学客のつもりで見ていた私も、連中の一人になっている。
悪に立ち向かう気持ち、仲間意識は小さな戦士・オクタヴィウス(初代ローマ帝国皇帝)にも、アッティラ(フン族の王)にも負けてはいない。

夜明けまで時間はあと少し…。
お願い、お日様!
今日だけは寝坊をして!!!

作品データ
「ナイトミュージアム」
監督 ショーン・レヴィ
原作  ミラン・トレンク
出演 ベン・スティラー、カーラ・グギーノ、ディック・ヴァン・ダイク、
     ミッキー・ルーニー、ビル・コッブス、ロビン・ウィリアムズほか
配給 20世紀フォックス映画/2006/アメリカ
※ 公開中 日比谷スカラ座ほか全国ロードショー
「ナイトミュージアム」公式ページ
http://movies.foxjapan.com/nightmuseum/


・・・やじまるの近況・・・

ミュージアムつながりでひとこと。
テレビ朝日のすぐ側に出来た国立新美術館。
この美術館が建つのを実はずっと楽しみにしておりました!
仕事の合間に時々のんびりしに行きます。
椅子に座っているだけの日もあれば、ショップで友達のプレゼントを選ぶ日も。
ナイトミュージアムを見てからはまだ行ってないのですが、
今度行ったら夜の心美術館を考えてしまいそうですね。
絵や写真の中の人がこっそり動いていたりして…。

三月は滑り込みセーフの更新でした。ではまた!

 

 
 
    
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