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8月15日 サンデースクランブルの裏側

残暑お見舞い申し上げます!
皆さん、しばらく書いていなくて、ごめんなさい。

久しぶりの更新となった今回は、リポーターを担当しているサンデースクランブルのロケの裏側をご紹介します!

8月6日のOAでは、埼玉県ふじみ野市のプール事故について取材しました。


どうしてこのような事故が起きてしまったのか、責任ある人たちの声を実際に聞こうということで、プールの管理を任されていた会社に直接行くことになりました。
行ってみると、他のマスコミが来ている様子もなく、あたりは静まり返っていて、
会社にもまるで人がいない様子。
これは誰もいないかな・・・と思いつつも会社を訪問してみると、なんと社長が中に一人でいたのです。
テレビ朝日であるということを名乗りインタビューを申し込むと、
「警察に任せている」の一点張りで一切答えられないということ。
答えられないと言われたものの、ここまできて引き下がるわけにはいかないと、
社長が出てくるまで会社の外で待つことになりました。

ここからが長期戦!
当日は最高気温が34度という猛暑だったのですが、いつ社長が出てくるかわからないということで、玄関先から動くことができず、日陰もない炎天下でカメラマンや音声担当のスタッフも交え、待つことになりました。
その場所に到着したのが朝の8時半。
朝のうちはまだ少し空気に爽やかさがあったものの、お昼前になるころには吹く風さえも熱風と化していて、立っているだけで汗が出てくるような感じでした。
お昼の御弁当もスタッフの一人が買いにいき、その場を離れることなく摂り、あっという間に夕方。
その会社は閑静な住宅街の中にあったため、午後六時になると童謡の「海」が流れはじめ、その歌を聴いた時には、時間の経過にはっとしたのを覚えています。
そして夜の7時を過ぎたころ、とうとう会社の電気が消されました。
社長が出てくるかもしれないと緊張が走ったのもつかの間、中から鍵がかけられ、誰も出てくる気配がないのです。
従業員は全員帰ったので、もう中にいるのは社長しかいない。
そう確信した私達はこれは長期戦になると、そのときに覚悟をしました。
でも、事態が動いたのはその直後だったんです。

一台の車が、さっと会社の玄関に着くと、運転席にいた人がエンジンをかけたまま、閉まっている正面玄関に向かい鍵を開け始めたのです。
それは今まで半日見守っていて、一度も見たことのない出来事でした。
とうとう社長がでてくる!
全員で車のそばまで駆け寄ると、朝8時に会った社長がとうとう出てきたのです!!
それは外で待ち始めてから実に12時間後の出来事でした。


「事故が最悪の結果となってしまった今、どう考えているのか。」
「なぜ、ボルトを調節するなり取り寄せることをしなかったのか。」
「泳げない監視員を雇っていたというのは事実なのか。」
玄関から車までのわずかなストロークで聞きたかった質問をぶつけました。
でも頑なな社長は何も言わず、憮然としたその表情以外は撮影することができませんでした。

今回の取材で、私はコメントをとる難しさを痛感しました。
社長は一体どのような気持ちでずっと会社にいたのでしょうか。
そのようなところまで感じて質問できていたら、もっと違っていたかもしれません。
こんなに長く張り込みをしたのも初めてで、リポーターという仕事の大変さも改めて感じました。

夏はこれからますます暑くなります。
いっぱい食べて、体力をつけて、来週もがんばります!!
   
 
    
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