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9月6日 最近のさぶりチョイス映画の中で異彩を放つ作品がコレ!


夏ももう終わり。
今年の夏こそは、パアン!
とはじける予定だったのだが。
やはりワタシはインドア派、
やたらと映画を見た。
「海辺の家」、「チョコレート」、「モンスーンウエディング」
等々・・・・。

わたしはどうも、しみじみと
「人生」を感じる映画を好むきらいがある。
淡々とした中に秘められた激しさや強さが感じられるものが好きらしい。
さそり座の女だし(?)

そんな最近のさぶりチョイス映画の中で異彩を放つ作品。
そう、アレだ、アレ。
それはもう、私には刺激が強すぎて・・・・。
ハアア〜、大変なことになってました、若者たち。
見終わって一言、呟く「・・・オーマイガッ!!」
・・・日本語忘れる程の衝撃!

というわけで・・・
〜窪塚洋介主演の『凶気の桜』をご紹介〜

舞台は渋谷。山口(窪塚洋介)、市川(RIKIYA)、小菅(須藤元気)ら若者3人は、「ネオ・トージョー」なる結社を作る。ドイツのネオナチと東條英機にあやかって命名。

彼らの理念は、「渋谷から汚いゴミを掃除する」こと。 

特注の真っ白な戦闘服を着て、中途半端にふらつく若者をターゲットに、夜な夜な結社としての活動を繰り返す3人。その実態は、「カツアゲと強姦と喧嘩」…!!動かなくなるまで殴る、蹴る、搾取できるものはとことん搾取する。向こう見ずで怖いもの知らずな振る舞いは、次第に暴力団、青修同盟の幹部にも一目置かれるようになる。

次第に暴力団の世界に引き込まれる3人。そこにそれぞれの生き方を見つけて成長していこうとするも、あることがきっかけで暴力団同士の抗争に火をつけ、巻き込まれていくことになる。ゆがんだ大人の世界に足を踏み入れてしまった3人の過酷な運命は如何に…。

それにしても…痛い、イタすぎる。
あの戦闘服の白さが痛々しい。
その行動とは裏腹に、彼らの心は、ほんとうに真っ白なのだ。本来純粋で透明な彼らの心に映るのは、街を歩く人々の疲弊した表情、無気力、先の見えない閉塞した社会。
「ネオ・トージョー」は、病める社会と、そこに未来を見出せない自分に対しての憤りが生んだものだろう。失望を怒りのエネルギーに変える短絡は、純粋と紙一重。
赤い血で染まっていく白い戦闘服は、絶望的な悲しみに満ちている。

 

そんな彼らの真っ白な痛々しさと対極にあるのが、暴力団、青修同盟の客分「消し屋」
三郎(江口洋介)。面倒な存在を消す、暗殺を生業とする男。その淡々とした無機的な「プロのお仕事」ぶりに立ち込める暗黒感。彼を軸に繰り広げられるヤミ社会の駆け引き。そんな「ブラックホールの住人的佇まい」には、一瞬、人間の道徳的観念を見失わせるほどの不気味な、静かな迫力がある。

ハァ〜っ・・・。見終わって、何度重苦しいため息をついたことか。ため息を吐いて逃げた分の幸せを取り戻すべく、今度は絶対HAPPYな映画を見に行こう。

『凶気の桜』

監督:薗田賢次
原作:ヒキタクニオ(新潮社刊)
音楽:K DUB SHINE(キングギドラ)
出演:窪塚洋介、RIKIYA、須藤元気、高橋マリ子、江口洋介、原田芳雄、他
配給:東映/2002年/日本
※2002年10月19日より全国東映邦画系にてロードショー公開

■『凶気の桜』公式サイト
http://www.toei.co.jp/kyokinosakura/
『ピンポン』が大ヒット中の窪塚洋介が初めて企画段階から映画製作に参加した
という、話題作『凶気の桜』。
完成披露試写でも「俺らの世代だからこそできることがある!」
「気合入れて見てください」と窪塚君自ら熱く語っていたという力作です。

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