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6月28日 スコーン教室


先日のこと。
大学時代のラクロス部同期、かおりんとあきちゃんと一緒に、
「スコーン教室」に行ってきました。
教えてくれるのは、同じく同期の千春ちゃん。
普段はパン作りを教えているのですが、
私も他の二人も、パンはおろかスコーンすら作ったことがない初心者。
じゃ、間違いなく出来るスコーンにしましょう、ということになったのです。

粉にふるいをかけ、バターをさっくりと混ぜ合わせていく。

それまで、ぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ話していたのに、
気がつくと無言になって、一生懸命に手を動かしている。

その合間に、「そうそう、いい感じ!」「もうちょっと軽く手を動かして」と、
千春ちゃんの声。

「かおりんのはいい感じになってきたよ」なんて聞くと、
少し悔しい。頑張って手を動かす。
「あきちゃん、これでOK!」となると、焦る。

休日のスコーン作りだというのに、この瞬間の集中力と真剣さ。
この感触、何かに似ている…と記憶の符合をたどっていけば、

それは、十数年前のグラウンドの思い出。

・・・・・・日焼けで真っ黒になりながら、
それでも日焼けしないようにと塗る日焼け止めで、
私たちの顔は白と黒のまだら模様。
にかっと笑えば、青や黄色のマウスピースが見える(ちょっとコワイ)。
それはさておき、
グランドを走り回り、球を追った、ただひたすらに、ひたむきだったあの時間。
傍らにはいつも同期がいたんだ。・・・・・・

生地をのばし、型を抜く。


 

艶出しに卵黄を塗り、



どれどれと、他の二人のを覗いてみたり。



頑張っちゃって、カメラに向かって微笑んでいる余裕がない!
振り返って写真を見ていると、なんか可笑しい。

型抜きしたスコーンたちをオーブンにいれ、ようやくほっとしたと言えましょうか。
やるべきことはやった、という達成感。
それほどじゃないだろ、と自分で突っ込みをいれつつも、この充足感は隠せない。
そして15分後。

イギリス帰りの千春ちゃんは、まさに本場のアフタヌーンティを用意してくれていました。
サワークリームやベリーのたっぷり入ったジャム。
アンティークで揃えたというブルーの食器。
そして、焼きあがったばかりのスコーンを載せる。


 

「本当に上手ねぇ」とイギリスの田園風景を思わせる、おっとりした千春ちゃんがほめてくれると、まんざらでもない気持ちになってくる。
でも、私は気がつきました。スコーンには作り手の“性格”が表れていると。

かおりんのスコーンは、きちんとした大人の女・かおりんらしい、形の整った美しさ。
あきちゃんのは、まあるく、大きく、なんだか朗らかで、いつも笑っているあきちゃんみたい。
そして私のは、きちんと出来ているのと、不恰好なものと。
“むら気”なところが出ているんだろうなぁ。とほほ。

アールグレイ入れるね、と千春ちゃん。
“アールグレイ”の発音がイギリスっぽくて、これまた笑ってしまう。
箸が転んでも…なんて年ではないけど、
いまだに同期が集まれば、他愛もないことで笑いが起きる。

さっくり、ふんわり美味しいスコーンを味わいながら、
次回の開催を誓うのでした。



次は、スコーン教室・中級編だ!

   
 
    
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