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9月7日 気ままに、京都通信。(お盆編)

8月16日(木)、朝7時過ぎの東京。
寝ぼけ眼で新幹線に乗り込むと、あっという間の2時間半で、京都着。

今回の京都行きは、
私がナレーションを担当している「都のかほり」のロケのため。
「都のかほり」でナレーションを務めて丸3年。
いつもは声の出演ながらも、
一年に2回ほど、季節の変わり目にひょっこりと出演させてもらっています。

8月16日に京都に来たということは・・・
そう!!「五山の送り火」が今回のメインイベント。
「大」の字が有名なだけに、“大文字焼き”なんて言われることもあるようですが、
京都人的には、「そんなぁ、おまんやないんやから」ということで
(※「おまん」とはお饅頭のこと)、
くれぐれも、「五山の送り火」なのであります。

日が暮れるまで、もちろんロケはしておりますが、
空いた時間にロケハン(ロケーションハンティングの略。テレビの人はよく言いますね)を兼ねて、お盆らしいところへ。
ふっふっふ・・・あの世とこの世の境に行ってきました。

六道の辻と言われる一帯。鴨川の東、大和大路通から松原通を東へたどる。
その昔、寺の僧侶が亡者の霊魂に引導を渡す、いわゆる野辺送りの地で、
霊界への入り口にあたる辻が、この六道の辻なのです。

まずは、六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)。ここは、空也上人が開いたお寺。


特に有名なのが、空也上人像(鎌倉時代・重要文化財)。
写真を載せられないのが残念ですが、実はとても珍しいもの。
というのも、空也上人の口から、6体の小さな阿弥陀仏が出ているのです。


図にしてみましたが…すみませんっっ

「南無阿弥陀仏」を初めて形で表現することを可能にした像、ということらしいです。
手と手の皴を合わせて、しあわせ・・・じゃなかった、南無。

境内の中ほど、本堂の前になにやら不思議なものが。
雨水を受けるところに、石が山積みに。


一つ一つに願い事が書かれているのです。
「長生きできますように」
「結婚できますように」・・・願い事にあまり一貫性はないような。
石を奉納する慣わしがあるのかな、とお寺の方に聞いたところ、
どこからともなく、誰からともなく、置かれるようになったのだとか。
そんなこともあるのですね。

六波羅蜜寺からすぐ近くにある、六道の辻の名物!
「幽霊子育飴」


古びた看板が、まさに…!

その昔、身重のままなくなった女性が墓の中で子を産み、
幽霊となって赤子に与えるために飴を夜な夜な買いに来ていたという。
赤子が掘り返されると、それからは幽霊は姿を見せなくなった。
その後、この赤子は高名な僧になったとか。
お店の方に聞いたところ、「決して怖い飴ではありません」とのこと。


これが幽霊子育飴

素朴な飴の味が、灼熱の太陽に疲れた体に染み渡ります。


麦芽水飴の、素朴な味わい

いい子に育つという、「幽霊子育飴」を舐め舐め、いい大人たちが向かったのが、
六道の辻の主役とも言うべき、「六道珍皇寺」(ろくどうちんのうじ)。


ここは、平安時代の歌人・小野篁(おののたかむら)の伝説の舞台でもあります。
昼は朝廷に仕え、夜は閻魔大王に仕えていたという小野篁。
まさに、あの世とこの世を自在に行き来していた!
境内には、小野篁像と閻魔大王像が。


格子の中にあるので、顔を近づけてこんな風に見ます。
ちなみに、覗いているのはプロデューサー(右)とディレクター(左)です

さらに奥には、
小野篁が冥土への行き来に使っていたという井戸があります。


格子の先に行くことは出来ませんが、何やら雰囲気あります

その井戸とはいかなるものか見たい!と携帯電話のカメラをグリグリと格子に押し付け撮った写真が、こちら。


カメラ付き携帯では限界が…

苔むした40センチほどの石の井戸に、竹で出来た蓋が載っていました。

盆地特有の暑さで、ゆがんでいるように感じる空気。
そのゆがみの先には、何かあってもおかしくない・・・なんて、
突き刺さるような日差しを首筋に受けて歩く、六道の辻。

次に、私たちが向かったのは、名所・嵐山。
いよいよ、五山の送り火です。

つづく。
   
 
    
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