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Vol.27  「虹の足」  (2003/03/18)

虹の足の中にいても、気付かない。
それでも、外からは見えるのだ。
幸せとは、このようなものなのだろうか---。


大学生の妹が、実家から上京して来ている。
「voice3」の公演を控え、バタバタしている私。

「お姉ちゃん、お帰り」
「は〜疲れた・・・」
「ごはんは?」
「いらない」
「一緒にビデオ見ない?『ウォーターボーイズ』借りてきたよ」
「無理無理!やることがあるの。先にお風呂入る」

「お姉ちゃん」
「え?」
「お姉ちゃん、仕事あっていいなぁ」
「・・・」

妹は就職活動で来ていた。
書類で落ちて、落ちて、今回、やっと一社通過したのだ。

仕事で疲れたり、塞いだり、雨の中にいるような気がしていた。
そんな自分を、とても恥ずかしいと思った。

小学生の時にこの詩に出会って以来、
いつも、誰かに教えてもらう。
自分が虹の足にすっぽりと抱かれていることを。
その度に、はっとさせられる。
でも、確実に、ここにある。

明日は休みなので、二人でビデオを見ようと思う。


(※この文章は、「voice3」のパンフレットに
掲載したものです。)
   
 
 
    
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