前の記事を読む

次の記事を読む  

 
 

Vol.23  「出社」  (2003/03/06)

午前2時。
私を起こしてくれるのは、体長35cmの目覚ましうさぎ。

「ピピピピピ…アサデスヨ!」
「ふぁぁい」

もそもそもそ。
(押し問答の末、ベッドから這い出るのが15分後)
がりがりがり。
(起き抜けには血糖値を上げるため、にんじんならぬ黒砂糖を)
ぱたん。
(夢うつつで、冷蔵庫から茹でておいた野菜を取り出す)
しゅっしゅっ。
(やかんに火をかけ、小さな水筒にルイボスティーを注ぐ)

お弁当の用意は出来た。
おっと、もう2時40分。
うさぎの赤い目。
コンタクトレンズは、後で。

「いってきまふ…」

24歳の「おはようございます」に必要なもの。
うさぎと、黒砂糖と、茹で野菜と、熱いお茶。
遠足をぼうっと思い出す。
動物園、お菓子、お弁当、水筒。
会社にだって、そんな気分で出掛けたい。
   
 
 
    
前の記事を読む 次の記事を読む